やっと入手したChico Freemanの"Beyond the Rain"
"Beyond the Rain" Chico Freeman(Contemporary)
毎度おなじみ新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスターのブログでも取り上げられているアルバムだが,私はお店でこれを聞かせてもらって,結構しびれてしまっていたので,何とか入手できないものか,ネットや中古盤屋等で機会がある毎に探していた。しかし,ネットではバカ高い値付けはされているし,中古盤屋でもとんとお目に掛かれないのである。CDはOriginal Jazz Classicsのシリーズでリリースされているので,当時は相当安い値段で出ていたはずだが,さすがに売れなかったのか,その後廃盤状態が続いているから多少の価格アップは仕方ないとしても,さすがに20,000円を越える密林マーケットプレイスのプライシングは異常,eBay等でも60ドルを越えているので,これは地道に探すしかないと思っていた。そこに某オークション・サイトで本作が出ているのを発見,即ビッドしたのだが,叩きあいになることもなく,簡単にゲットである。送料込みで¥2,280だったから,これはいい買い物であった。
このアルバムが吹き込まれたのは1977年だが,1970年代後半がChico Freemanにとっては最もよかった時期であることは,"Outside Within"や"Spirit Sensitive"等のIndia Navigation盤もそうした時期に吹き込まれていることからも明らかだと思う。"Outside Within"についてはかなり昔にこのブログでも記事にしている(こちら)が,そこでも「どこへ行ったかChico Freeman」なんて失礼な書き方をしているものの,昔ほどの活躍はしていないという意識があったというのは事実である。
そのFreemanがContemporaryレーベルに吹き込んだのがこのアルバムだが,ContemporaryレーベルというのはChico Freemanのようなミュージシャン(まだヤング・ライオンズとか呼ばれる前である)に吹き込みのチャンスを与える進取の精神があったということになると思う。そうした意味でレーベル・オーナーであったLester Koenigは見る目を持った人だった。
それはさておき,このアルバムであるが,私にとって何がよかったのかというと,Chico Freemanのフレージングだろうか。何がどうとは言えないのだが,いいねぇと思ってしまうのである。もちろん,本作にはElvin Jonesがドラムスを叩いているというプラスの要素もあるが,こんな音を分離させなくてもいいだろうと思いつつ,Elvinの叩きっぷりがわかるという点でもこのCDはポイントが高いのである。
Chico Freemanという人は,基本はコンベンショナルなのだが,そこにスパイスとしてややフリーなアプローチが加わるって感じの人だと思うが,ある意味,若干の取っつきにくさを持つミュージシャンなのが,アルバムが爆発的に売れない原因だとは思う。だが,Hamiet Bluiettのようなミュージシャンも好きな私にはジャスト・フィットなのだ。いずれにしても,本作を含めてこの頃のChico Freemanの音源は非常に優れたものであるだけに,入手困難というのはもったいないという感覚が強い。本作について言えば,フルートで演じるタイトル・トラックには今イチ感はあるが,それ以外はこれっていいよねぇと思わせる快演揃いである。こういう作品の入手が難しいってことこそ問題だと思うが,まぁ,このジャケだけに購買意欲はそそらないか(笑)。
いずれにしても,当時のChico Freemanの好調ぶりを実証するような作品である。星★★★★☆。
Recorded on June 21, 22 & 23, 1977
Personnel: Chico Freeman(ts, fl), Hilton Ruiz(p), Junieeh Booth(b), Elvin Jones(ds), Jumma Santos(perc)
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おはようございます。
紹介された↑のオリジナルLPをゲットしました。
しかも未開封です。
価格は送料込みで↑の倍位ですが今時は再発LP新品でもそれ位しますので止むを得ませんね。
エルビンのドラムスも楽しみです。
これは仰るようにジャケ買いは厳しいですね(爆)。
Bar D2マスターの音源選択眼に期待している一人なので楽しみです。
情報有難うございました。
投稿: EVA | 2013年9月18日 (水) 07時46分
これは学生の頃に買って愛聴していたアルバム。これでヒルトン・ルイスも好きになったし、ドラムのエルヴィンもさすが。それにも増して、その上でシリアスに、それでいて感情過多・破壊過多にならないクールな彼のテナーは素晴らしい。コンテンポラリーの最後の輝き、のようなアルバムです。父亡き後のアルバムは精彩を欠いて、フェードアウトした印象が強いですね。(当時を思い出すと)
Bar D2が気になり出しました、金沢から。
投稿: ken | 2013年9月20日 (金) 13時26分
EVAさん,こんにちは。返事が遅くなってしまいました。申し訳ありません。
音としてはどうかなぁって気もしますが,演奏はきっとお気に召すのではないかと思います。本作はCDよりLPの方が見つけやすいかもしれませんが,結構高いものですね。
最近はアナログが復活してきていますが,私のところはターンテーブルはほこりがかぶってしまっています。そもそもオーディオ・セットで音楽をほとんど聞いてませんし...。ほとんどiPodに依存している私です。
投稿: 中年音楽狂 | 2013年9月21日 (土) 11時34分
kenさん,こんにちは。TBありがとうございます。
確かにLester翁が亡くなってからのContemporaryレーベルはジャケのセンスも変わってしまって,おいおいって感じが強かったですね。
そして,このアルバムなんかはまだまだチャレンジングな姿勢を示していて,Lester翁の姿勢や審美眼には感心せざるをえません。
ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2013年9月21日 (土) 11時37分