中年以上はしんみりしてしまうであろう「アンコール!!」
「アンコール!!("Song for Marion")」('12,英/独)
監督:Paul Andrew Williams
出演:Terence Stamp, Vanessa Redgrave, Gemma Arterton
先日,平日に会社が休みだった時に映画をはしごしたのだが,「ワイルド・スピード EURO MISSION」の前に見たのが映画である。記事にするのが遅くなってしまったのは,その後の出張やら飲酒続きのせいであるが,我ながらはしごするにしても,脈絡のなさ過ぎるチョイスである。
それはさておき,これはマレーシア出張中に飛行機で見た「カルテット 人生のオペラハウス」とも相通じるところがある映画である。「カルテット」も英国作品であったが,これも英独合作である。確かにハリウッドでは作られそうにないかなぁとも思えるが,こういう映画や「愛,アムール」が作られるというところが欧州らしいなぁと思ってしまう。
これは老人のコーラス・グループ"The OAP'Z(年金ズ)"がポップやロック・チューンを歌うというところが非常に楽しい映画である。B52'sの"Love Shack"まで出てくるのには笑ってしまったが,そうした笑いの裏でマジで泣かせてくれたのがVanessa Redgraveが歌う"True Colors"であった。ただでさえ,加齢により涙腺がゆるんでいる私だが,この歌のシーンでは大泣きしてしまったではないか。ラスト近くのTerernce StampによるBilly Joelの"Lullaby (Goodnight My Angel)"も予想通りとは言え,泣かせる出来であった。
ストーリーや人物造形等はある意味ステレオタイプだと言えばその通りかもしれない。だが,そこに老人コーラス+ポップ,ロックの有名曲というスパイスを加えるだけで,実に味わい深く,楽しく,そして泣ける映画になるのだから,これは企画の勝利である。Terence Stampと言えば,昔なら「コレクター」,近年なら「イギリスから来た男」が印象深い役者であるが,ここでは頑固オヤジ転じて,Vanessa Redgraveに捧げて歌ってしまうという役柄をいかにもそれっぽく演じていいるところも印象深い。私の知り合いにアメリカ人の頑固なオッサンがいるが,それに相通ずる頑固さを感じられて,笑っていた私である。
いずれにしても,こうした映画は「カルテット」同様,若い人たちには大して受けないだろうが,私のような年齢層,そして音楽が好きな人間なら確実に楽しめ,そして泣かせてもらえる佳作である。それにしても"True Colors"である。昔からいい曲だと思っていたが,泣かされたのは今回が初めてであった。星★★★★。しかし,このタイトルはどうなのかねぇ。私は原題の"Song for Marion"の方がストレートでずっといいと思うなぁ。
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