Seamus Blake,学生バンドに客演す。
"On Cue: The Music of Seamus Blake" NSU Jazz Ensemble (NSU Jazz Lab)
これはブログのお知り合い,oza。さんが取り上げられていて,へぇ~ってことで購入してみたアルバムである。私はビッグバンド好きってわけではないので,ここはダウンロードで済ませたが,これが結構面白い。
そもそもNSU Jazz Ensembleというのはオクラホマ州にあるNorth Eastern Universityのジャズ学科の学生によるビッグバンドである。ジャズで学位を取ろうという人たちだから,ちゃんとした勉強をしているんだろうが,それにしてもなんでSeamus Blake集なのか?と思うのが人情である。ここで演奏されている7曲中6曲はSeamusのオリジナルだが,何だか最近Seamusが客演したアルバムより面白く聞けてしまったような気がする。曲そのものが,ビッグバンドのアレンジメントに対するフィット感も結構強いし,ソロイストとしてのSeamusも,学生諸君からのリスペクトを受けて気をよくしたか,非常にいいソロを聞かせているのである。
このNSU Jazz Ensemble,いろいろなミュージシャンとの交流も豊富なようで,最近の共演者にはGeoffrey Keezer,John Riley,Kevin Mahogany,Conrad Herwig,Kenny Werner,Terell Stafford,John Fedchock,そしてChris Potter等の名前が並んでいる。John Riley,John Fedchock以外は多くの人が知るミュージシャン達であろうが,そのJohn RileyやJohn Fedchockもビッグバンド畑では結構知られたドラマー,トロンボーンのようであるから,ここでのミュージシャン招聘には一本筋が通っているように見える。かつこれまで彼らがリリースしているアルバムのゲストにはBobby Watson,Russell Malone,Robin Eubanks等も含まれているのだから大したものである。
だが,こう言っては何だが,結局は学生バンドのアルバムであるから,一般のリスナーの関心はゲストたるSeamus Blakeに向かうのは当然であるが,ここでのBlakeのソロは期待を上回る出来を示したと言える。まぁ,比較の対象が学生諸君のソロであるから,格の違いを見せつけるのは当然とは言え,それでもここでのSeamusはかなり魅力的である。いつもこういう感じで吹いてくれるともっと好きになるんだが...(笑)。
だからと言って,学生諸君がいけていないかというとそういうわけではない。十分頑張っていると思うが,やはりここはSeamusの曲を選んだというのが正解だったように思える。非常にモダンな響きが魅力的なアルバムである。星★★★★。ビッグバンド好きは聞いても損はしないと思う。
ちなみにこのバンドのメンバーは一人を除いて,全員オクラホマ出身。その残りの一人が鹿児島出身の日本人ってのにはびっくりするよねぇ。頑張れ浜田(濱田?)くん on Trombone!(笑)。
Recorded on May 10 & 11, 2012
Personnel: Seamus Blake(ts), Jonathan Rice, Andrew Djahedian(as, fl), Joseph Barger, Chris Beard, Claremore(ts, cl), Nicholas McKinney(bs, b-cl), Timothy Moore, Christopher Greene, Jared Wallis, Kristen Layne, Sean Ryan(tp), Trevor Moore, Zachary Gunkel, Ryunosuke Hamada(tb), Elijah Sullivan(b-tb), Stephen Schultz(g), Daniel Thompson(p), Eric Schmidt(b), Christopher Wilson(ds), Tommy Poole(arr, dir), Vicky Yang(arr)
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» Nsu Jazz Ensemble On Cue-the Music Of Seamus Blake [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
この盤は、webの新譜を漁っていて見つけたもので、2012年10月のリリースだったようですが、流通量が少ないのかすでに入手困難になっています。
Seamus Blakeという名前にひっかかったわけでありますが、Nsu Jazz Ensemble というのはノースイースタン州立大学のジャズバンドで、そこに彼(Seamus Blake)がゲストで入って彼の曲を演奏するという企画のようです。
調べてみると、過去にBobby Watsonを迎えて同様の企画のCDが2006年にリリースされており、..... [続きを読む]
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体調崩してまして、レスが遅くなりすいませんでした。
Seamus Blakeの演奏も満足いけるものでしたし、このバンドの演奏(アレンジ)もなかなかレベルが高いと感じました。さすが、アルバムとしてリリースしているだけのことはあります。
Seamus Blake集を作ると言う発想も凄いなと思いましたが、でも、おっしゃる通り、それが良いほうに作用しているんでしょうね。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2013年5月 1日 (水) 06時38分
oza。さん,こんにちは。TBありがとうございます。
アメリカにはいろいろな学生バンドがあって,それこそいろいろなプロ・ミュージシャンを招聘して共演したりしていますが,Seamusってのは意表をついていたと思いました。しかし,それが予想を上回る出来だったということで,これは喜ぶべきでしょうね。
こういうアルバムを聞くと,Smalls LiveでのAlex SipiaginバンドでのSeamusにも期待したくなります。メンツ的にはほぼOpus 5ですが,ドラムスがNate Smithなので,よりアグレシッブにやってくれるのではないかと思っています。
投稿: 中年音楽狂 | 2013年5月 1日 (水) 11時32分