Jeremy Peltの新作は映画音楽のようだと言いたくなる...
"Water and Earth" Jeremy Pelt (High Note)
Jeremy Peltは優秀なクインテットとともに,往年のMilesを彷彿とさせる音楽性を聞かせてきたが,それでも前作"Soul"はちょっとMilesに傾斜し過ぎたかなぁと思わせたものの,出来としてはかなりのものとなっていた(記事はこちら)。しかし,同一メンツでのレコーディングが続いていると,ちょっと違った路線も聞きたくなるのが人情なのは,Tom Harrellのクインテットにも言えるが,今回,そうした期待を感じたのか(?),Jeremy Peltもこれまでとは異なる路線でのサウンドの作品をリリースしてきた。このアルバムのサウンドを彩っているのはずばりRhodesである。
私は,このブログにも何度か書いてきたように,Rhodesの音がかなり好きだと言ってもいいので,今回のアルバムに関する情報が上がってきた時にも結構な期待を寄せていたことは紛れもない事実である。しかし,このアルバムがリリースされてから,結構な時間が経っても記事にできなかったのは,引越しで多忙だったこともあるが,それよりも,音を聞いてずっとピンとこないでいたからなのである。
それはなぜなのかを今一度本作を聞き返して考えていたのだが,それはここで聞かれるサウンドの「ゆるさ」にあるのではないかと思える。私がJeremy Peltに求めるのはよりシャープでアグレッシブな響きであるが,ここで聞かれるのは,まるで70年代のアクション映画のBGMのような感じなのである。それはそれで固有の魅力を持つ音楽であることは否定しないが,そこには緊張と弛緩のバランスがもう少し感じられるはずだ。だが,このJeremy Peltの新作は「ゆるい」という表現が不適切だとすれば,「ゆるやか」と言い換えてもよいような感覚ゆえに盛り上がりに欠けてしまう。"Boom Bishop"のような曲がもう少しあればというところであるが,結局はこれは緊張感のあるグルーブが足りないことを示しているように思える。例えば"Prior Convictions"のようにバックのグルーブはよくても,そこに乗ってくるPeltのラッパがそこから乖離した音色やフレーズを発するのでは,どうにもうまくないのである。
全体的な音楽のクォリティは決して低くはないが,リスナーを引きつける強力な磁力に不足した演奏に留まっているのが私には残念に思えた。ということで星★★★。これならレギュラー・クインテットに戻して欲しいと思ってしまったわがままな私である。
Recorded on September 26 & 27, 2012
Personnel: Jeremy Pelt(tp), Roxy Cross(ts, ss), Frank LoCrasto(key), David Bryant(key), Burniss Earl Travis(b), Dana Hawkins(ds), Jeffrey Hayes(perc), Ra-Re Valverde, Angela Roberts, Fabiana Masili(vo)
























































































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