誰が弾いてもRalph Townerだとわかってしまうのは凄い。
"Man in the Moon" Randall Avers(Clear Note)
私は長年に渡ってRalph Townerのファンであることはこのブログにも何度も書いてきた。私がギターを弾くということは別にしても,Townerのギター・プレイは常に独特の感慨を私にもたらしてくれるのである。しかし,今回は他人が弾いたTowner曲集である。これまでも私は福田進一がアルバムの中でTownerの曲を弾いたことがあるのを聞いたことはあるが,アルバム1枚Townerで固めたっていうのはこれが初めてではないだろうか。その場合,どういうことになるのか?そこが私が本作を買った興味の中心であったことは否めない。正直言ってしまえばTownerのギター曲であれば,本人が弾くのが一番に決まっているのだが,それでもTownerの曲集と聞いてはついつい反応してしまったのである。
Randall Aversという人についてはよく知らないが,Web上の情報によればTownerを相当研究しているということらしい。その上で,Townerが本作において"Madeleine Variations"を書き下ろしていることを考えれば,本人公認の研究者ってことになるだろう。しかも録音はオスロのRainbow Studioである。こだわってるねぇ。
本作を聞いていて思うのは,ここでギターを弾いているのがTownerでなくとも,ちょっと聞いただけでTownerの音楽だとわかってしまう曲の個性だと言ってよい。奏者は違ってもTownerらしさがひしひしと感じられるのである。こうした感覚は(Townerのアルバムでは当たり前でも),改めて他人が弾いたTownerの曲を聞いて感じられたものであって,それが非常に新鮮だったと思える。そういう意味では本作は成功であるが,でもやっぱり本人が弾けばいいじゃん,あるいはカヴァー集はカヴァー集だよねぇという冷たい言い方も可能な,非常に微妙な作品でもある。
だが,Ralph Townerというミュージシャンの作曲家としての側面に改めてスポットライトを当てたのだとすれば,それはそれで間違いなくこのアルバムの功績として認めなければならない。ということで,絶対に甘いと思いつつ星★★★★☆をつけてしまおう。聞いてみれば,薬にはなっても毒にはならないことはおわかり頂けるはずである(笑)。やっぱり私はRalph Townerが好きなのである。
Personnel: Randall Avers(g)
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コメント
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管理人様へ
betta taroより
久しぶりに書き込みさせて頂きたく。
紹介盤の奏者は Roland Dyens系の巧者とお見受けしました。
この手の作品は、バーベキュー味のポテチを食べるなら、
バーベキューを食べた方がよくなくない!?というジレンマ
を抱えているのは確かですが… 楽しめる内容だと思いました。
Towner御大はといえばReunionしたOregonのFamily Tree(2012)等で意欲的に活動中で心強い限りです。
By the way 不躾で恐縮ですがこの場をおかりしプロモさせて頂けますでしょうか。。
◆関西ジャズギタリストの雄「村山義光氏」が上京します。
演奏サンプルはこちら→ http://www.youtube.com/watch?v=H1n4cA-Yins
◆東京ライブ@小岩【BACK IN TIME】MUSICチャージ3千円 → http://www.bqrecords.net/backintime.htm
The Day 1st 3月23日20:00~ g村山義光 g宮之上貴昭
The Day 2nd 3月24日20:00~ g村山義光 g布川俊樹
両日予約なら千円割引 記念お土産付きだそうです。
失礼いたしましたm(_ _)m
投稿: betta_taro | 2013年3月 6日 (水) 08時57分
betta_taroさん,こんばんは。
私は不勉強のため,Roland Dyensという人は存じませんでしたが,本人のサイトで見ると,なかなか面白い人ですね。
「バーベキュー味のポテチ」のくだりはまさしくおっしゃる通りで思わず笑ってしまいました。引き続きよろしくお願いします。
投稿: 中年音楽狂 | 2013年3月 6日 (水) 22時05分