Brad Mehldauの楽歴を振り返る:その4 ~Fresh Soundから出たピアノ・トリオ~
"When I Fall in Love" Mehldau~Rossy Trio(Fresh Sound New Talent)
久々のこのシリーズである。新譜もたまってはいるのだが,リッピングしている暇もないというのが実態なのだ。だからMehldauか?と言っては彼に失礼だが,まぁ私の気まぐれってことで...。
このアルバムが録音されたのはBrad Mehldauがワーナーからメジャー・デビューする前のことであるが,ここに収められた曲のいくつかが,"Introducing"や"The Art of the Trio, Vol.1"で再演されているので,そうしたアルバムのプロトタイプと言ってもよい作品である。
冒頭の"Anthropology"から若さ溢れるとも言うべき快演である。このスピード感は昨今のMehldauには希薄になっているようなところもあるが,今から20年前の演奏なのだから,彼もまだ若かったということである。凄い勢いである。しかし,一聴すれば,このピアニストが注目すべきピアニストだということはわかるだろうという演奏である。2曲のオリジナルもなかなかいいしねぇ。
この頃のMehldauはまだ新人の域を脱していないし,Joshua Redmanと吹き込む前である。だが,この段階で,ライブ盤とは言え,かつコ・リーダー作とは言え、ほぼ彼のリーダー作と言ってよい作品の吹き込み機会を与えるFresh Soundの慧眼には頭が下がる。前にも書いたが,私がMehldauにはまったのは"The Art of the Trio,Vol.1"でのことであったが,それ以前から既に実力は発揮していたということを如実に示す充実作である。
後の演奏のようなコクや深みというものはここにはないかもしれない。しかし,急速調からバラッドまで何でも見事に弾きこなす様を見せつけられれば,「注目の新人現る!」って叫びたくなってしまうこと必定である。それは(これも前に書いたが)私のNYC在住中に,まだティーン・エイジャーだったChristian McBrideの生演奏に触れて大騒ぎをしたのと同じ感覚だったと確信させる演奏群である。レベル高っ!と思わずうならされる快作。ちょいと甘めの星★★★★☆。だが,正直なところ私は"Introducing"よりこっちの方がいいのではないかと思っているぐらいなのである。
Recorded Live at La Cova Del Drac, Barcelona on October 9 & 10, 1993
Personnel: Brad Mehldau(p), Mario Rossy(b), Jordi Rossy(ds)
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コメント
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こんばんは。
たまたまこのアルバムを入手したのが’03年だったので、私のブログ以前で掲載がなかったので聴いてみました。けっこういい演奏してましたね。サイド参加作は、これ以前からあって、個性も出てきて、やっぱりただ者ではなかったなあ、と、聴いていて思いましたです。
当方のブログアドレスは以下の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2021/10/post-6b12be.html
投稿: 910 | 2021年10月29日 (金) 23時47分
910さん,おはようございます。リンクありがとうございます。
>たまたまこのアルバムを入手したのが’03年だったので、私のブログ以前で掲載がなかったので聴いてみました。けっこういい演奏してましたね。
この頃既にジャズの未来を感じさせました。
>サイド参加作は、これ以前からあって、個性も出てきて、やっぱりただ者ではなかったなあ、と、聴いていて思いましたです。
初期の演奏には生硬さを感じさせるところもありましたが,大した才能だったと思います。追っかけは大変ですが,その価値はありました。
投稿: 中年音楽狂 | 2021年10月31日 (日) 10時42分