入手は結構前だが,なかなかしびれるバラッド集
"Life as a Ballad" Abiah (Madoh Music)
入手したのは昨年だが,記事をアップできていなかった作品である。私は本作の主役であるAbiahという歌手については全く知らなったのだが,そんな私が購入に至ったのはRobert Glasper参加というポップにつられてのことであった。そしてこのアルバムを聞いてみて驚いたのが,全面的にタイトル通りと言ってよい優れたバラッド集になっていることであった。Robert Glasperと聞いて想像するような尖った感覚はなく,なぜGlasperがここに?と考えても不思議ではない。しかし,よくよく見てみると,このAbiahとRobert Glasperは従兄弟ということらしく,とすれば,これは麗しき家族愛に支えられた作品ということになる。
Abiahという人はなかなかの美声の持ち主だということはわかるが,それを支えるバックの面々も楚々とした演奏で主役を盛り立てている。私がこの作品に惹かれるのは,打ち込みでなく,生音によって演奏されたものであるとともに,例えばグラスを傾けながら夜に聞けば相当雰囲気を盛り上げるに違いないというサウンドにある。これは子供にわかる世界ではない(きっぱり)。というより,本作が素晴らしいと言う子供がいたらその方が怖いが,いずれにしても,昨年のMichael Kiwanukaの時におぼえた発見の喜びを改めて感じさせてくれるような作品である。
全編に渡ってバラッド集なので,Abiahという人の本質を本作だけで捉えることは難しいかもしれないが,私にとっては十分に楽しめる作品であった。また,38分に満たない収録時間も繰り返し聞くにも適切であり,リピートでプレイバックしても全然問題ないだろうと思えるナイスな作品。ということで星★★★★☆には十分値する作品だと言っておこう。
参加ミュージシャンについては記述はあれども,詳細のクレジットがないが,ピアノ,ギター,アコースティック・ベース,ドラムスを基調としたシンプルな伴奏についても評価しておきたい。世の中の動きに疲れを感じるオジさんには癒しの気分さえ感じさせる好唱,好演集である。
Personnel: Abiah(vo), Robert Glasper(p), Marvin Sewell(g), Ulysses Owens Jr.(ds), Keith Wirry(b) with David Rosenthal, John Shannon, Chris Eddleton
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