ようやくアップ。QuestのMilesトリビュート作
"Circular Dreaming: Quest Plays the Music of Miles' 60s" Quest(Enja)
さすがに本作がリリースされてから時間が経ち過ぎて,新譜と呼ぶのは憚られるが,それでもリリースされてすぐに入手していた私であり,元来Questのファンと言ってよい私にとっては嬉しい作品である。
今回彼らが取り組むのはMiles Davisの60年代のクインテットの作品が中心である。それもWayne Shorter作がメインであり,基本はフリー一歩手前のモーダルな演奏ということになるから,それこそMilesの薫陶を受けたDave Liebmanにとってはその音楽性を考えても,これはジャスト・フィットと呼んでいい作品集になることは間違いないところである。ということで,Liebmanには全く不安はなしであり,あとはバンドとしてのバランスの問題ってことになる。
そして,聞いてみれば,やはりこれは演奏としてはいいよねぇと思わせるものである。演奏はスリリングにして強烈であり,それだけなら文句はない。但し,いろいろな方がおっしゃっている音の今イチ感というのは,そもそもこのアルバムがMP3音源のリリースを優先するためのものだったのではないのかと,うがった見方もしたくなるところである。
しかし,そうした点を差し引いても,Liebman,あるいはこのバンドらしい感覚が横溢していて,決して聞き易いサウンドとはなっていないが,ハイブラウなジャズだよねぇと言いたくなるような出来である。驚きはないし,予定調和的だと言ってしまえばその通りだが,これだけやってくれれば,私には嬉しい作品であるし,十分に楽しめた。正直なところもう半星つけてもいいが,星★★★★ってところにしておこう。尚,日本盤ボーナス・トラックはLiebmanとBeirachのデュオによるライブ音源。
いずれにしてもやっぱり好きです,このバンド。日本には...来ないだろうなぁ(笑)。
Recorded in February 2011
Personnel: Dave Liebman(ts, ss), Richie Beirach(p), Ron McClure(b), Billy Hart(ds)
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