ライブも素晴らしいNik Bärtsch's Ronin
"Live" Nik Bärtsch's Ronin (ECM)
今でも,彼らのアルバムを初めて聞いた時の感覚は鮮明に覚えている。リズム・フィギュアはファンクなのに,メロディ・ラインは完全にミニマルである。そこで思い浮かんだ言葉が,それこそまんまであるが,「ミニマル・ファンク」だった。それ以外に形容しようがないというのが正直なところではあったが,このアルバムを聞いた理由はECMレーベルだったからにほかならないとしても,これは心底カッコいいと思ってしまったのである。私はその後Nik BärtschのアルバムをECMに限らず聞いているが,私のミニマル好きとも相俟って,本当に彼らの音楽にしびれてしまった私であった。
そんな彼らのライブ・アルバムは東京を含む各地で収録された2枚組だが,まさに彼ららしい音楽満載の充実作である。Nik BärtschとShaのフロントはやはりミニマルなのだが,実はこのバンドのリズム隊は結構自由度高く演奏しているのではないかと思わせるものとなっている。ベースにしても,ドラムスにしても,パーカッションにしても,楽譜の縛りはあまりないように思えるのである。特に本作でのファンク度合いを高めているのがBjørn Meyerのベースであり,この心地よいファンクに私はぞくぞくする思いをしてしまった。惜しくもBjørn MeyerはRoninを脱退したとのことであるが,それでもこの演奏を残したことで,多くの人の記憶に残るはずだと思いたい。
彼らの演奏はどれを聞いても同じように聞こえるという批判もあろうが,ミニマルなんてそんなものだし,こういう音楽は難しいことを考えるよりも,この心地よいファンクに身を委ねればいいのである。私が今年聞いた中でも最もカッコいいもののひとつと言ってよい1枚である。私は彼らのやっている音楽は全面支持ということで星★★★★★である。ということで,改めて彼らの旧作もまた聞いてみることにしよう。気持ちよ過ぎである。
Recorded Live between 2009 & 2011
Personnel: Nik Bärtsch(p, key), Sha(b-cl, as), Bjørn Meyer(b), Kaspar Rast(ds), Andi Pupato(perc), Thomy Jordi(b)
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彼らの奇数拍子の曲が多くて、なおかつ主メロディがはっきりしない(ミニマル)サウンドは、やはり独特のものがあると思います。こういうバンドを発掘するのはやはりECMらしい、と言えばらしいのかな、とも思います。
ECMでの再演曲もあるようですが、他レーベルの作品は今は入手困難が多いようなので、まだ入手していないため、聴くチャンスがあるかどうか。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2012年11月28日 (水) 17時23分
910さん、返事が遅くなり申し訳ありません。TBありがとうございます。
ミニマル・ファンクという極めて特徴的なジャンルを確立したという点ではこの人たちはもっと評価されて然るべきと思っています。ライブでもグルーブ感を生み出せるこの人たちは本物だという気がしています。これからも追いかけたい人たちですね。
投稿: 中年音楽狂 | 2012年12月 1日 (土) 11時14分