
"Toulouse Street" The Doobie Brothers (Warner Brothers)
新譜の記事をアップしなければ...という思いもありながら,ちょっと息抜きもしたくなるのが人情で,そうした時にはこういうクラシックスを聴くのが一番である。
私はDoobie Brothersの結構なファンで,Tom Johnston期もMichael McDonalad期もそれぞれに好きではあるものの,ライブで盛り上がるのは前期Tom Johnston期の曲だよなぁなんて思っている。Mikeの曲は洗練されていて,鑑賞音楽としては楽しめるのだが,ライブではちょっと厳しい部分もあるように感じているのは私だけではあるまい。ライブの場にフィットするのはやはり典型的なハード・ドライビングなアメリカン・ロックとしての前期の曲だと思う。だから,彼らのライブにおいても,聴衆が盛り上がるのは"China Grove"であり,"Long Train Runnin'"であり,更にはこのアルバムに収められた"Listen to the Music",”Rockin' Down the Highway",そして"Jesus Is Just Alright"ってことになってしまうわけだ。後のMike McDonald期の音楽も私は相当好きだと言っていいのだが,それでもライブの場であれば,やはりこれらの曲の方が間違いなく軍配が上がるのは,おそらく音楽のライブ感,ドライブ感がこれらの曲の方が勝っているということになろう。
だが,Mikeの名誉のために言っておくと,彼らの最高傑作は"Stampede"に譲るとしても,実はそれに勝るとも劣らず,私が彼らの後期のアルバムで最高かつ一番好きだと思っているのは"Living on the Fault Line"であることは既にこのブログでも書いた通りである(記事はこちら)。ただ,全く音楽性が違うので,やはりそこに本作が持つようなドライブ感を求めることはできないのは致し方ないのである。
いずれにしても,ここにはいかにもDoobiesらしいワイルドなアメリカン・ロックにそこはかとなくカントリー・フレイヴァーを感じさせるアコースティック・ギターが活躍する曲を配し,いかにもアメリカの音を体現していると言えるだろう。私がアメリカン・ロックに目覚めた頃ってのは,DoobiesとSteve Miller Bandの"Fly Like an Eagle"へのフィット感が物凄く強かったことを今でも覚えている(実はEaglesはもう少し後)。それ以来というか,私がアメリカン・ロック指向を強めてもう35年以上が経過しているが,やはり今聞いてもDoobiesの音楽は私の中ではアメリカン・ロックの一つのひな形であり続けているのである。特にこのアルバムで言えば私は"Jesus Is Just Alright"が一番好きで,彼らのヒット曲の中でも,この曲は上位に入ると言ってよいぐらい好きなのだ。
しかし,アルバム全体で見れば,ホーンとか必要なのかなぁって感じさせる部分もあるし,この路線では"Stampede"がワイルドさとソフィスティケーションを両立させているという点で,更に評価している私である("Stampede"についての記事はこちら)。しかし,上記のライブでも主要なレパートリーとなった3曲をバンドとしてのセカンド・アルバムの本作において世に問うていたということは大したもんだと言えるだろう。私はやっぱりDoobiesが好きなのだ。星★★★★。
そう言えば,ここでドラムスを叩いているMichael Hossackは今年の3月に亡くなっていたのを思い出した。遅ればせながらご冥福をお祈りしたい。R.I.P.
Personnel: Patrick Simmons(g, vo), Tom Johnston(g, vo), Tyran Porter(b, vo), John Hartman(ds, perc), Michael Hossack(ds) with Jerry Jumonville(ts), Joe Lane Davis(bs), Sherman Marshall Cyr(tp), Jon Robert Smith(ts), Bill Payne(p, org, key), Dave Shogren(b, vo), Ted Templeman(perc)
最近のコメント