ジャケが私を呼んでいたアルバム:Michael Kiwanuka
"Home Again" Michael Kiwanuka (Polydor)
ショップをうろついていると,ジャケがどうしても気になってしまう作品というものはあるものである。ジャケの雰囲気からして,こりゃよさそうだという野生の勘に訴えてくるのだが,本作もまさにそうした私のインスピレーションを刺激した作品である。こんなアップのジャケのどこがいいのかという人もいらっしゃろうが,これが私の直観を刺激したのである。
この人のバックグラウンド等はよくわかっていないが,英国出身で1988年生まれの24歳(らしい)というのが信じられないような渋くも,落ち着いたサウンドを聞かせる。Adeleの前座で注目されたというのが,いかにもAdele同様若年寄的と言ってよいかもしれないが,それでも注目されて当然のミュージシャンだと一聴して感じさせられた私である。私が購入したのはボーナス・ディスク付きの2枚組だったのだが,そもそもそのボーナス・ディスクがEthan Johnsプロデュースというところからして大いに気になったし,そして期待に応える出来である。そして,Ethan Johnsがプロデュースしたくなるような人だと思わせる。
アルバムとしてはソウル的なアプローチも聞ける(特に冒頭の"Tell Me a Tale"等は70年代初頭のソウルを思い出させる) が,そこかしこに何ともSSW的というか,私は聞いていてちょっとBobby Charlesを思い出してしまうような音楽だったのは意外であったが,その手の音楽を好む私にとっては嬉しかった。例えば"Rest"のような曲がその代表的だが,本当にBobby Charlesの曲だと言えば,通じそうな音楽なのだ。これはよい。こういう音楽が現代においてどのように受け入れられるのはわからないが,この人は今年1月にBBCの"Sound of 2012"に選ばれたそうだから,本国でも注目されているということであろう。
いずれにしても,そんなことは関係なしに,直観を信じてこのアルバムを買った自分を褒めたくなるようなナイスなアルバムであった。こういう出会いがあるから,オンラインへの依存度が高くなった昨今でもショップ通いはやめられないのだ。
世の中にはまだまだ恐るべき若手が存在することを,またも痛感させられたアルバムである。繰り返すがこれはかなりよい。私としては全面的にOKである。今後の更なる成長を期待して満点とはせず,星★★★★☆とするが,私の中では注目度急上昇,というか次もきっと買うだろうと確信させられた作品。尚,クレジット情報が老眼にはきついので,詳しいミュージシャン情報は今回は省略させて頂くが悪しからず。
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コメント
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EVAです、おはようございます。
このアルバム、アマゾンを見ると3/20発売になっていました。
以前も発売前のアルバムが紹介されていたことがありましたがショップによっては先行することがあるのですね。
私も雰囲気が良さそうなので予約販売にポチっとしてしまいました。
投稿: EVA | 2012年3月17日 (土) 08時02分
読んでいて、うんうん、、と首を何度も縦に振ってしまいました。
私もショップで作品を眺めるて買うのが好きです。ジャケット買いもしますよ!もちろん、iTunesで音源は買えます、PCでCDの現物も買えますが、ジャケットのイメージ、印象から、音楽を想像したり、メンバーを見て、へぇー、が最近は好きです。CDを開封しなければ知る事もなかった開封した中のご本人の写真や、CDを取り出した時、その下にあった写真で微笑んでしまうこともあります。
つい最近は、ホイットニーの、そよ風の贈り物が入ったアルバムを、私はカセットで聴いていたので、こんなに初々しく可愛いホイットニーだったんだ、と改めて知り、CDを買い直しました。
投稿: ひまわり | 2012年3月17日 (土) 08時09分
EVAさん,こんにちは。ショップに先に並ぶってのは結構ありますね。以前の例ではLou Reed & Metallicaがそうだったように思います。
ご期待にお応えできるといいですが,これって悪くないですよ。
投稿: 中年音楽狂 | 2012年3月17日 (土) 11時55分
ひまわりさん,こんにちは。
ダウンロードにはダウンロードなりのよさはありますし,ネットでの出会いでもいいのですが,やはりショップでの現物との出会いには捨て難いものがありますね。
このアルバムもたまたま見かけたものではありますが,これは本当に「当たり」だと思いました。
投稿: 中年音楽狂 | 2012年3月17日 (土) 11時57分