中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第15回):Oliver Nelsonが実証したブルーズの普遍性
"The Blues and the Abstract Truth" Oliver Nelson(Impulse)
「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするという趣旨のこのシリーズであるが,今回はOliver Nelsonと言えばこれって作品にしてみよう。
そもそも「Oliver Nelsonのファンです~」って人がどれぐらいいるのかはわからんが,彼のファンであろうがなかろうが,このアルバムはやはり傑作の名に相応しいと思う。もちろん,参加しているミュージシャンが一流なので,出来の悪いアルバムになることは考えにくいが,それだけではない。本作の邦題は「ブルースの真実」だが,まさにタイトル通りと言ってよいブルーズの本質を突いた作品なのである。
なぜか。普通の感覚で言えば,Eric DolphyとBill Evansが共演するなんていうことは考えられないはずである。だが,この全く個性を異にする二人が,同じアルバムの中で,ブルーズという共通言語で見事な協調を示しているのが見事ではないか。つまり,ブルーズというのは全く違うタイプのミュージシャンであっても受け入れてしまうという普遍性,あるいは包容力のある音楽だということを完璧に実証しているのである。これが本当に素晴らしいと思えるわけだ。であるから,ここでの演奏はジャズとしてレベルが高いのはもちろんだが,ブルーズというアメリカ音楽の中の確固たる分野の音楽の持つ普遍性,柔軟性を理解するのにも役に立つということで,これからこうした音楽に親しもうという人にはお薦めできるのである。
全てがNelsonのオリジナルで占められたこのアルバムの中では,私は冒頭を飾る"Stolen Moments"(Dolphyのフルートがまたいいのだ)が一番好きだが,その他の曲も「ブルーズの真実」を感じさせる名品揃いだと言えよう。作編曲家としてのNelsonの作品として聞いても,聞きどころ満載の傑作。バリトンのGeroge Barrowはソロは吹いていないが,このアンサンブルに欠かせないことは聞けばわかってもらえるはずだ。ということでやはり星★★★★★しかないだろう。それにしても,ブルーズは奥が深いねぇ。
Recorded on February 23, 1961
Personnel: Oliver Nelson(ts), Eric Dolphy(as, fl), George Barrow(bs), Freddie Hubbard(tp), Bill Evans(p), Paul Chambers(b), Roy Haynes(ds)


























































































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