怒涛のクラシック音楽リッピング中に聞いたGershwin集
"Gershwin: Rhapsody in Blue, Piano Concert in F, An American in Paris" Andre Previn, Pittsburgh Symphony Orchestra (Philips)
現在,私は手持ちのCDのリッピングに取り組んでいるが,特にクラシックを中心にリッピングを行っている。正直言ってしまうと,私は相応のクラシックのCDを保有しているが,聞く頻度は必ずしも高くないため,取り出しやすい位置に置いているわけではなく,多くのCDが段ボール箱に詰まったままなのである。それに加えて,亡くなった私の父の遺品であるクラシックのCDもあるため,もはや収拾のつかない状態にあると言ってもよい。そうした状態からこれらの音楽を救うためにはリッピングでiPodに突っ込んでやるしかないのである。
私の父はモーツァルトが異常なまでに好きな人だったし,それに加えて自分がヴァイオリンを弾いていたこともあって,ヴァイオリンのCDも結構な数が揃っている。それに加えて特徴的なのが所謂ド派手なオーケストラ物もある程度含まれていたのだが,そうしたCDが今,私の手許にあるわけだ。
そんな中で,今回聞いたのがPrevinによるGershwin集である。George Gershwinの音楽を演奏するならばアメリカのオケがいいだろう(というか,それ以外にはちょっと考えにくい)とは思える。そうした中で,Pittsburghってのは聞いたことがなかったので,オケとしてはどうなんだろうと思って聞いたが,これが結構楽しめた。特にPrevinが弾き振りをした"Rhapsody in Blue"とピアノ協奏曲は悪くないと思った。それに比べると,「パリのアメリカ人」のスピード感の欠如と言うか,ダイナミズム不足が気になってしまった。この曲では指揮に専念することで,Previnが色々なことを考えてしまったのか,あるいは弾き振りの時はオケの自由度が高かったのかとも勘繰ってしまうが,それでもこうしてGershwinの曲をまとめて聞く機会なんてなかなかないものだから,このアルバムは重宝なものであることには間違いない。
いずれにしても,純粋クラシックと言うよりも,元祖ジャズとクラシックの融合みたいな音楽であるから,クラシックにアレルギーを感じるリスナーでもこれならOKってことにもなるかもしれないが,この演奏を聞いていると,Previnってさすが元ジャズ・ピアニストだよねぇと思いたくなるような出来である。特に"Rhapsody in Blue"。このアルバムで私が最も気に入ったのはこの演奏である。
ということで,今回,リッピングも完了したので,聞く機会も増えるだろうと思える演奏。やはりこの音楽はアメリカのオケでなければならないな。星★★★☆。
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