2011年:私のベスト3+α
これまで,2011年5回に渡って回顧してきたが,音楽に限って,2011年の私のベスト3は何だったかを明らかにしたい。
これまでの記事をご覧頂けば,ある程度想像はつくかもしれないが,今年,私にとってナンバー1となったアルバムはLou Reed & Metallicaの"Lulu"である。この作品がデリバリーされて,初めて聞いた時の衝撃というか,私は電撃を受けたように感じてしまったぐらい,この作品には最初からまいってしまった。とてつもない深みを音楽から感じたのは久しぶりの体験だったと思う。よって,今年のナンバー1はこれだとその時から決めていた。
"Lulu"があまりにも強烈だったので,ほかの2作が悩みどころになるわけだが,次席はBrad Mehldauの"Live in Marciac"にしたい。ソロ・ピアノではあるが,強烈にジャズを感じさせる演奏として,このアルバムは強く印象に残っている。本作を含め素晴らしい作品をリリースしたBrad Mehldauであるが,私としてはつくづくBrad Mehldauのファンでよかったと思った1年である。今後,彼はどこへ向かっていくのかと心配にもなるが,真の実力者であるとともに,年を追うごとに凄みが増してきている。多くのリスナーがそうであるように,そろそろトリオでの吹き込みも期待したいところではあるが,この創造性を維持してくれるなら,文句は言うまい。これからも彼の活動は追い掛けていきたいと思う。
そして,もう1枚は今年のマイ・ブームを作り出したMaria Ritaの"Elo"である。私はこれまで彼女の音楽を聞いたことがなかったことをまさに恥じた一枚。慌てて,逆時系列で彼女の作品を聞いていった私である。Maria Ritaのファンにとってはこの作品は最高ということにはなっていないようだが,私にはこのシンプルなバックで,素晴らしいグルーブを生みだすこれぞブラジル音楽という魅力を感じてしまった。
これらが2011年を代表する作品であるとは限らないが,私にとってはさまざまな要素を含めてこの3作をベスト作とすることにしたい。
そして,本来は本年の回顧(ジャズ編)で取り上げるはずであった,チェコのテナー奏者Ondrej Stveracekを改めて紹介しておきたい。その記事を書いたとき,完全に失念してしまったのだが,まさに今年最大の発見,あるいは今年のRising Starとでも呼びたいテナーサックス奏者である。スタジオ盤もよかったが,私を更にしびれさせてくれたライブ盤をここにはアップしておこう。CDの入手は楽とは言わないが,ネットで注文もできれば,iTunesでダウンロードもできる。是非多くの人に聞いて欲しいという思いもこめた。
ということで,今年は震災もあれば,職場の環境の変化等,私にとっては辛くもいろいろ考えさせられることが多かった。そうした中で,音楽は私の生活の支えになっていたことは間違いなく,音楽によって救われたことも多々あった。来年はもう少しましな1年になることを期待しつつ,今年の音楽界は豊作だったなぁと改めて振り返る大晦日である。
読者の皆さんには,本年もしょうもないブログにお付き合い頂きましてありがとうございました。来年は6年目に突入するこのブログですが,引き続きよろしくお願い致します。
では,皆さん,よいお年をお迎え下さい。
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