Betty Wrightの新作:The Rootsが関わるとソウル・ミュージックは面白い。
"Betty Wright: The Movie" Betty Wright(S-Curve)
私はソウル・ミュージックの熱心なリスナーというわけではないが,それでも注目に値しそうなアルバムはついつい買ってしまうクチである。そうした中で,The Rootsが関わったアルバムは昨年のJohn Legendといい,今年のBooker T. Jonesといい,ある程度エスタブリッシュされたミュージシャンに新たな魅力を付け加えるという意味で,非常に注目に値すると言ってもよい。今回はそのThe Rootsがベテラン,Betty Wrightと組んだものである。
と言っても,私はBetty Wrightを意識して聞いたことはないが,本作は10年振りのアルバムとなるらしい。ティーンエイジャーの時から活躍し,歌手としてだけでなく,Joss Stoneを見出したり,若い歌手のメンターとして尊敬を集めているとのことである。そしてこのアルバムを聞いてみれば,おぉっ,これは真のソウルを感じさせる魅力的な声である。しかも収められた曲のクォリティの高いことよ。はっきり言って,これにはびっくりである。更に,この人,物凄い声の持ち主で,ハイトーンはMiriah Careyかっ!と思ってしまうぐらいの成層圏(?)ヴォイスである。
更に,The Rootsの面々というのは,ヒップホップ・グループと言いながら,ちゃんとリアルな演奏能力を持っていて,更にビッグネームと共演しても臆するところがないというか,ちゃんと合わせることができる実力を持ったグループだと言える。そうした面々が真っ当な歌手の伴奏をすれば,いいに決まっているというのは先例からも明らかだが,ちゃんとここでもいい仕事をしている。そして,Snoop DoggやJoss Stoneまで華を添えるのだから,これはいいよねぇ。
正直言っていけていないのはジャケだけで,あとは文句の全くない作品である。ソウル・ミュージックが好きなら,まずこの作品はOKのはずだと思う。星★★★★☆。それにしても,The Roots,というか"?uestlove"のプロデュース,いい仕事してるねぇ。信頼できるわ,この人。
尚,参加ミュージシャンが結構多いので,今回は手抜きでクレジットは省略。
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