Me'Shell Ndegéocelloの新作はJoe Henryプロデュース!
"Weather" Me'Shell Ndegéocello (Naive)
Me'Shell Ndegéocelloと私の出会いは"Peace Beyond Passion"だったのだが,そこに聞かれる素晴らしいファンクネスに痺れたことは今でも鮮明に覚えている。とにかくこれは凄いと思った。それ以来,私はMe'Shell Ndegeocelloのファンであるが,それを上回るアルバムは結局出ていないのは少し残念ではある。それぐらい"Peace Beyond Passion"のインパクトが強いのである。
そんなMe'Shell Ndegéocelloの新作であるが,このアルバムのリリースを知った時,プロデュースがJoe Henryだと知って,一刻も早く聞きたいと思った私である。基本的に,私はJoe Henryがプロデュースしているアルバムは無条件購入することとしているが,以前,このブログで取り上げたHugh Laurie(記事はこちら)のようにダメなものもないわけではない。しかし,Joe Henryのプロデュース作品は概してクォリティが高く,大体は私の期待に応えてくれるし,音楽そのものが私の趣味と合致していることもあり,無条件購入のスタンスは崩すつもりはない。
そのJoe HenryがMe'Shell Ndegéocelloをプロデュースするとどういうことになるのかというところに興味は集中するわけだが,この2人,以前から共演経験もあるから,接点がないわけではないとしても,昨今のJoe Henry的ルーツ・ロックの世界とは違うだろうという予測はつこうというものだ。
そして結果はと言うと,いつものJoe Henryプロデュース作品とは,何となく感覚の違いがある。音楽的にはいつものように地味と言えば地味だが,サウンドがいつもと違うのである。それが何に起因するかはクレジットを見れば明らかになる。使っているミュージシャンがいつもと違うのだから,サウンドは違って当たり前である。Joe Henryプロデュース作では,Henry組とでも呼びたくなるようなミュージシャンたちが伴奏を担当することがほとんどなのだが,本作ではMe'Shell人脈のミュージシャンによる演奏がほとんどで,Henry組はJay Belleroseぐらいのものだからだ。それも1曲しか叩いていないし...。
また,このアルバムを一言で表すとすれば,「穏やか」なアルバムだと言えるのではないかと思う。"Peace Beyond Passion"に聞かれたようなヘヴィーなファンクネスはここでは聞かれない。ここで聞かれる彼女のヴォーカルにはSadeすら想起させるような部分もあって驚かされてしまうのだ。だが,その穏やかさとJoe Henryプロデュースらしい音楽とが相俟って,何とも印象深い音楽を形成していると言ってよい。こうした穏やかさは前作"Devil's Halo"からも感じられないわけではなかったが,それを更に推し進めたものと言ってもいいかもしれない。Me'Shell Ndegéocelloにこうした音楽を期待しているわけではないというリスナーもいるだろうが,これはJoe Henryとのコラボレーションによって生み出された新機軸だと言ってもいいと思う。これぞ最高傑作とは評価しないが,それでも十分聞く価値はあると思う。確かにちょっと地味かなぁって気はするが(笑)。星★★★★☆。
Personnel: Me'Shell Ndegéocello(vo, b), Chris Bruce(g, b), Keefus Ciancia(p, effects), Deantoni Parks(ds), Gabe Noel(cello, b), Jay Bellerose(ds), Benji Hughes(p)
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