
"Live at Yoshi's 2010" The Jack DeJohnette Group
Webサーフィンをしていたら,Jack DeJohnetteがダウンロード・オンリーで彼の新グループのライブ音源をサイトで販売しているのを見つけて,即購入してしまった私である。この新グループについては,Rudresh Mahanthappaのアルバムに関する記事を書いたとき(記事はこちら)ちらっと書いたのだが,映像は確認していたものの,音源も入手できるとは知らなかった。そこにも「今でもDeJohnetteはとんがっているだねぇ」なんて予想して書いたが,実際に音を聞いてみて,やっぱり尖っていた。来年古希を迎えるとは思えない音楽だと言ってもよいが,結局ミュージシャンって歳を取っても若いよねぇと思わせるものである。
このバンドの音楽が非常に面白いのは,ある意味で「保守と革新」が同居しているのだが,トータルでは革新の方が強い感じに響くところかもしれない。保守代表はColliganで,革新派はMahanthappaである。そしてそこに変態的に切れ込むFiuczynskiとそれをコントロールするDeJohnetteって感じなのだ。結局はとんがり具合の方が勝ってしまうところが,DeJohnetteの本音とも言えるのだろうが,それでもこのバンドはなかなか面白い。
最近のDeJohnetteの主戦場はKeith Jarrettとのスタンダーズ・トリオとなっているが,それはそれでいいとして,こうしたかたちで自我を発露することもミュージシャンとしてのDeJohnetteには必要なことなのではないかと思わせるような音楽だと言ってもよいかもしれない。冒頭は"Special Edition"でもお馴染みの"One for Eric"であるが,そっちとこっちでは相当に感覚の違いはあるものの,ハイブラウさは共通と言えるように感じる。そうしたかなりハイブラウな音楽の中に,突然現れるDeJohnette自身によるMelodion(所謂ピアニカってやつである)を使った哀愁メロでしんみりともさせるところなど,ハイブラウさだけではない芸の細かさを感じさせるのである。
いずれにしても,こういうバンド・メンバーを選択するところに,Jack DeJohnetteの衰えぬ創造意欲というものも強く感じた音源であった。もちろん,売れる音楽ではないということをDeJohnetteも自覚してダウンロード・オンリーにしたのかもしれないが,一度接してみて損はないバンドである。ライブゆえの粗さもあるが,それでも星★★★★。
Recorded Live at Yoshi's, Oakland, California in June 2010
Personnel: Jack DeJohnette(ds, melodion), Rudresh Mahanthappa(as), Jerome Harris(el-b, g), George Colligan(key, p), David Fiuczynski(g)
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