期待を上回る素晴らしさ:Stéphane KereckiとJohn Taylorのデュオ
"Patience" Stéphane Kerecki & John Taylor (Zig Zag Territories)
私はネットで,このジャケを見ただけで買いたいと思ってしまったアルバムである。いい写真ではないか。しかもタイトルは"Patience"即ち「忍耐」と来た。ネクラの私にはそれだけで,ますます聞きたいと思う作品だ(笑)。
Stéphane Kereckiと言えばTony Malabyの参加した"Houria"をこのブログで取り上げたことがある(記事はこちら)があるが,そこでの熱い演奏があったので,今回のピアノとのデュオはどうなるかも気になる。しかも相手はJohn Taylorである。期待するなという方が無理である。
そして冒頭のアルコの響きを聞いて,おぉっ,現代音楽のようだと感じるリスナーは多いのではないか。静謐な中に,緊張感の漂う滑り出しである。これは確かに「忍耐」が必要かとも思わせるが,そうした感覚は2曲目でなくなるから安心してよい。この作品は美的な感覚だけを追求したものではなく,あくまでの2つの楽器が対峙し合う姿を捉えたものである。よって,かなりテンションは高い。しかし,この2人の楽器による対話を楽しむという点では,かなりいけている。
元々私はJohn Taylorをひいきにしていて,彼とベースのデュオと言えば,Charlie Hadenとの"Nightfall"(記事はこちら)があるが,あちらの強烈な美的感覚とは明らかに異なっている。"Nightfall"もまた優れた作品ではあるものの,流れを分断する"Song for the Whales"という駄曲が入っていて評価を若干下げたのに比べると,このアルバムの持つストイックな響きがより魅力的に思えてくる。この対話は本当に素晴らしい。
この作品は両者がその実力を発揮するだけでなく,演奏にシナジーをもたらしていると言っては褒め過ぎかもしれないが,暑い夏をクールダウンさせるには丁度いい響きをもたらす好盤。ジャケの写真も好きだが,インナー・スリーブの裏写真もこれまた美しいので,スキャンして画像をアップしてしまおう。いいねぇ。星★★★★☆。いずれにしても,この音楽を聞くことに「忍耐」は必要ないので念のため。
Recorded on September 27 - 29, 2010
Personnel: Stéphane Kerecki(b), John Taylor(p)
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Stephane Kereckiというベーシストに妙に惹かれたところがありまして、彼のリーダー(参加)作が出ると、ちょっと気にするような状況になっています。
なれそめが Focus Danse (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/56713912.html)
次に Houria (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/58629652.html)
ということで、1年おきにコンスタントにリーダー作がリリースされていて、今のところ..... [続きを読む]















































































こんばんは。
すごく素敵なジャケットですね。
わたしはネクラでない(と思う 笑)けど惹かれます。
ベ-スとピアノのデュオというのもいいですね。
それにしても みなさん いろんな曲を上手に紹介されるので お金がいくらあっても 足りませんよ〜(笑)
メモしておきます。
φ(.. )
投稿: マ-リン | 2011年8月 7日 (日) 22時53分
マーリンさん,こんばんは。このアルバム,音楽的にはちょっとハードルは高いものかもしれません。しかし,これはいいですよ。マストとは言いませんが,余裕があったら試してみて下さい。
そう言えば,そろそろ一肌脱ぐシリーズもやらんといかんですね。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年8月 7日 (日) 23時49分
こんばんは。ki-maです。
John Taylor、最近よく見かけますね。
自分も思い出してPeter Erskine盤聴いてます。
なぜか埋もれてたんですがビックリする位よくて、ちょっと突っ込むかもです。
Stéphane Kereckiは知りませんがこの盤も気になってきました。
投稿: ki-ma | 2011年8月 8日 (月) 21時06分
ki-maさん,こんばんは。John Taylorと言えば,Peter Erskineの欧州トリオがやはり私も印象深いです。私がTaylorにはまったのはあれからでしたから。そうは言っても"Juni"だけはあまり評価していませんが(笑)。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年8月 8日 (月) 21時44分
TBありがとうございました。実はこのエントリーを拝見してリリースを知り、早速聴いてみた次第です。"Nightfall" も結構好きなアルバムでしたが、同じピアノとベースのデュオなのにまた違った魅力がありますよね。私からもTBさせて頂きます。
投稿: 1irvingplace | 2011年8月23日 (火) 22時57分
1irvingplaceさん、おはようございます。返事が遅くなりました。TBありがとうございます。
そうでしたか。多少はお役に立てまして何よりです。本作には"Nightfall"のような美メロはないかもしれませんが、あちらにはないいい意味での緊張感があり、いいですよね。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年8月27日 (土) 09時42分
だいぶ涼しくなってきたので(個人的には、暑くなるさなかに、大いに聴いていたので◎でしたが。。)、時期的には遅い紹介になって
しまいました(汗)が、ジャケ写通りの
>暑い夏をクールダウンさせるには丁度いい響きをもたらす好盤。
でした。
個人的には、最後の2曲流れが妙に気に入ってます。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2011年9月24日 (土) 16時24分
oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。
涼しくなってからでも全然問題のない音源だと思いますが,私は夏の暑い時期にこれを聞いて涼んでいました。冬に聞けばまた違う感覚が生まれるかもしれませんね。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年9月24日 (土) 20時18分