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2011年7月22日 (金)

Gretchen Parlato:これは確かにいいわ

Gretchen_parlato

"The Lost & Found" Gretchen Parlato (Obliq Sound)

電脳世界のお知り合いの皆さんが高く評価されているアルバムである。私はジャズ・ヴォーカルをあまり好んで聞く方ではないことはこのブログでも書いているが,ヴォーカルが嫌いということではない。女性ヴォーカルではJoni MitchellやらLaura NyroやらRickie Lee Jonesやらと好きなシンガーは沢山いるので,所謂ジャズ・ヴォーカルとは違う世界での女性ヴォーカルは結構好きなのだ。そんな私が聞いてこのアルバムはどうだったか。

思うにこのアルバムは,典型的なジャズ・ヴォーカル・アルバムとは一線を画している。サウンドがずっとコンテンポラリーなので,私にはカテゴリーなど関係ない女性ヴォーカルとして聞けてしまったところがまずいい。また,Gretchen Parlatoの声がまた魅力的でポイントが高いのだが,私が評価したいのはバックの演奏とのバランスである。特に私がRhodes好きということもあって,Rhodesによる伴奏の曲に対するシンパシーが非常に強いが,このサウンドが本当に魅力的なのである。いずれにしても,ヴォーカルとバックの演奏の「対等感」が強く感じられるところに,バンドとしてのグルーブさえ感じさせるところが素晴らしいのである。

そして,このGretchen Parlatoはデビュー以来,必ずWayne Shorterのオリジナルを収録してきていて,今回は"Juju"である。こういう選曲をするところに,この人の出自を感じさせて非常に興味深いが,それ以外の選曲も"Blue in Green"はあるわ,オリジナルはあるわ,更にSimply RedやらLauryn Hillを交えてしまうところにこの人の指向が見えてくるようにも思える。

私がジャズ・ヴォーカルに関しては蘊蓄を披露することはできないとしても,このアルバムを聞けば,Gretchen Parlatoという人はずっと広いレンジで捉えられるべき優れたミュージシャンという理解である。お知り合いの皆さんが高く評価するのも当然と感じられる傑作。これならばRhodesの響きも魅力的なので,ちょっとオマケもありの星★★★★★である。このアルバムは,独自の判断だったら絶対聞いていなかっただろうが,これをネット上でご紹介頂いたお知り合いの皆さんに感謝したくなってしまうような優れた作品。

しかし,ここで共同プロデュースを行っているRobert GlasperとGretchen Parlatoのつながりってあまり想像できないと思うのはきっと私だけではないだろう。それでも,こんな作品が出来上がるのなら,それはそれで素晴らしいことだと思う。

Recorded on August 19-21, 2010

Personnel: Gretchen Parlato(vo, perc), Taylor Eigsti(p, el-p, org), Derrick Hodge(b), Kendrick Scott(ds), Dayna Stephens(ts), Alan Hampton(g, vo), Robert Glasper(key)

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コメント

こんばんは。

星5つですかぁ。
ベボフェラ&ポルタのデュオをだしてたレーベルで偶然みっけたパラートさまです、あ、閣下がTシャツかっちゃたって、仰ってたような。。気がします。
デビューアルバムもえらくいけてたんですが、これもリラックスしてきけるけど、中味は濃く、一般的なジャズヴォーカルと一線おいてますね。
と、理屈抜きで、、気持ちいいですわ。

夕方から蒸していたのですが、先ほどから大きなカミナリがなって、雨がきました。雨の音で窓を閉めたので、少し暑いですが、こんな時に、聴いたら涼しくなりそうです。

トラバありがと、、ございましたぁ。

すずっくさん,こんばんは。TBありがとうございます。

さすがにこの人のTシャツまでは買ってませんが,本作はかなり評価高いですねぇ。所謂ジャズ・ヴォーカルっぽくないところが,私のテイストにはフィットしているかなぁとも思います。

確かにObliq Soundとは渋いところから出してきますよね。でも国内盤も出るらしいですから,やはりそれなりに評価が高いのではないかと思います。

今晩は!一昨日このCDが届きまして聞いておりますが、なかなか良いですね!ボーカルものにありがちな良い声だからよく聞け!的な作りではなく、バックの演奏がとても素敵で、それに合わせてボーカルがハミングしている感じがとても良いですね!ご紹介ありがとうございます!気に入りました!

takeotさん,こんばんは。おっしゃる通り,このアルバムはバックと歌唱のバランスが非常によくて,私も珍しく気に入ってしまったアルバムでした。

ともあれ,お気に召して何よりでした。

音楽狂様
こんばんは。音がただただ気持ちが良い作品ですね。
keyとdrumsは今までも知らずに聴いている機会がありましたが、本作で初めて意識しました。個人的にはそれでも最後はvocalが勝って欲しいのですが、そこはちょっと控えめで印象が弱いのですが、Blue in Greenみたいにこれでベストだと思えるトラックもあって、やっぱこれでいいのかななどとあれこれ思っています。

ki-maさん,こんにちは。TBありがとうございます。

Gretchen Parlatoという人はヴォーカリストである前にミュージシャンであるという側面をこのアルバムは強く感じさせます。これ以前の音源も聞いてみたくなるようないい出来栄えでした。久しぶりに聞いてみたくなりました。

中年音楽狂さん、今頃ですが今年もよろしくお願いします。
たまたま訪れて、このボーカル盤を見つけてちょっと意外でした。
おっしゃる通り、通常のボーカルとは違うので、こちらのモードもそれなりに変えたら、凄くいい感じで入ってきました。
バックのローズのピアノもはまりにはまりましたね。魅力的な演奏です。ということでTBします。

madameさん,こちらこそよろしくお願いします。TBありがとうございます。

この人はジャズ・ヴォーカルをあまり聞かない私にとっても非常にフィット感の強かったです。ヴォーカルがバンドの一部として機能している感じが好きでした。いろいろ聞いてみないといかんということですね。

実際に1曲聴かせてもらって気になる盤の1枚には入っていたのですが、中年音楽狂さんが絶賛しているのが銃爪で購入に至った1枚となります。

歌唱の良さ(好みと合ってる)と、演奏の良さから満足度の高いアルバムでした。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんにちは。TBありがとうございました。

これはかなりポイントが高いアルバムだったと思っています。結局は行けませんでしたが,ライブに行きたいと思わせるぐらいでしたから。やっぱり行きたかったです~。

音楽狂さん、こんばんは。TBありがとうございます。
日本代表が冴えないゲームをやっていたので、このアルバムでアタマを冷やしています。
いかにもなJazzボーカルじゃなくて、Gretchen Parlatoはもっと懐が深いボーカリストな感覚を持ちました。このメンバーで想像する音とは結構GAPもあって、そこにボーカリストとしてのしっかり「もっている」クオリティがあるんだなあと感心している次第です。
ライブ見逃しは5月に見逃すなって警告って事で。
こちらからもTBさせていただきます。

とっつぁんさん、こんばんは。TBありがとうございます。今日も出張中です。

「もっと懐が深いボーカリスト」というのはその通りだと思います。私はジャズ・ヴォーカルをあまり聞きませんが、このアルバムはいかにもジャズ・ヴォーカルって感覚は希薄なところが多分いいんですよねぇ。

この人のライブに聴衆が集まる日本っていうのは、レベル高いよなぁなんて思いますが、クリポタも同じように集まるのだろうかなんて思ってしまいますね。

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