Gary Burtonの新クァルテットはレベルが高い。
"Common Ground" New Gary Burton Quartet (Mack Avenue)
Gary Burtonは今年で68歳になるが,年齢に比べるとやっている音楽は非常に若々しい。長年のデュオ・チームを組むChick Coreaが,70歳になってもRTF IVでほとんどロックと言っていい演奏をしているのと同じだが,それにしても凄いことである。
今回リリースされたこのアルバムでも,「昔の名前で出ています」的なところは皆無。まだまだクリエイティビティは衰えていないことを示す快演集となっている。Gary BurtonはPat Methenyとのライブ盤もあり,昔からギタリストとの共演が多い人だが,今回はJulian Lageである。Burtonの"Generations"に参加した時はティーンエイジャーだったLageだが,今でもまだ弱冠23歳である。今回のアルバムのキモはこのJulian Lageだと言ってもいいぐらいの活躍ぶりである。BurtonがLageに花を持たせている感覚さえ覚えると言っては言い過ぎか。"My Funny Valentine"等は最たる事例で,その冒頭に聞かれるLageのスパニッシュな響きをたたえたソロ・ギターなど見事なものだ。
しかも彼らを支えるのがColley~Sanchezの重量級リズム隊であるから,このアルバムは聞く前から悪いはずはないという予感はあったが,これは予想以上にいい出来だと言ってよいと思う。ここで演奏される曲は通常の4ビートではない。非常にコンテンポラリーな感覚が強いだけでなく,なかなか優れたメロディ・ラインを持っていることが魅力的なのである。
私はBurtonとMethenyのライブ盤に関しては予定調和的だと評した(記事はこちら)が,私には今回の新作の方が好ましい印象を与えたことは間違いない。この作品はGary Burtonのリーダーとしての統率力と,優れたミュージシャンの演奏能力が結びついてできたものと思う。1曲ぐらいテンポを上げた曲があってもよかったという気がしないでもないが,これは気に入った。星★★★★☆。
7月にはBlue Note東京に出演するようだ(但し,Scott Colleyは来ないみたい)が,これならライブを見に行ってもいいかなぁなんて思わせる。Gary Burton,まだまだ現役であることを見事に実証した佳品である。
尚,ライナーにも録音日は明示されていないが,Web上の情報によると下記のものらしい。しかも録音場所は我が母校NYUってのが私の郷愁をそそる。レコーディング・スタジオなんてあったのか~って感じである。
Recorded on December 4-6, 2010
Personnel: Gary Burton(vib), Julian Lage(g), Scott Colley(b), Antonio Sanchez(ds)
« 今日も記事を書きそこなったので… | トップページ | James Farm:Joshua Redmanが今イチ苦手な私もOKの快作 »
「新譜」カテゴリの記事
- クリポタの新譜への期待が高まる。(2026.03.08)
- Jeremy Peltの新作をストリーミングで聞く。タイトルに込めた意図ほどは激しくはないがいい出来だ。(2026.03.05)
- Kris Davisによる越境型音楽。もはや現代音楽と言った方がよいだろう。(2026.02.24)
- 今井美樹の新作をストリーミングで聞いた。冒頭からのポップな響きに戸惑う。(2026.02.23)
「ジャズ(2011年の記事)」カテゴリの記事
- 2011年:私のベスト3+α(2011.12.31)
- Claudio Filippini:これが今年最後の新譜である。(2011.12.30)
- 2011年を回顧する(その5):音楽(ジャズ)編(2011.12.29)
- 今年のホリデイ・シーズンはSingers Unlimitedで。(2011.12.24)
- 超ゴージャスなつくりのMichel Legrandによるホリデイ・ミュージック(2011.12.23)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Gary Burtonの新クァルテットはレベルが高い。:
» Newで大賛成です Common Ground / Gary Burton [JAZZ最中]
ピアノのジェフ・キーザーと演奏しているジョー・ロックのヴァイブが素晴らしく、ゲーリー・バートンの後継者はこの人だと思うのだけれど、52才だからちょっと歳は、いってます。
でも大御所は68才になって、レコード会社も替わって若々しいアルバムを出したのだから、...... [続きを読む]
» Common Ground/The New Gary Burton Quartet [ジャズCDの個人ページBlog]
6月上旬に届いていたのに、なぜか聴くのが遅くなってしまいました。ゲイリー・バート [続きを読む]
» Gary Burton Common Ground [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
Gary BurtonのNew Quartet名義でのアルバムです。
Gary Burtonも、そう昔から新譜が出たら買いをしていた記憶がないのですが、ここ最近は出たら買い状態が続いているようです。
New Crystal Silence (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/52479713.html)
Quartet Live! (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/57971743.html)
と思ったら
..... [続きを読む]
« 今日も記事を書きそこなったので… | トップページ | James Farm:Joshua Redmanが今イチ苦手な私もOKの快作 »



































































中年音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
G・バートンはコンコードで少し個性を発揮するアルバムが亡くなっていたとおもっていましたから、これは若々しくて、方向もしっかりした久々のオリジナル・メンバーのアルバムができました。
投稿: monaka | 2011年6月22日 (水) 21時26分
monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。
このアルバムはバンドとしてのまとまりもよくて,私も近年のGary Burtonのアルバムでは一番好きでしょう(と言っても全部は聞いていませんが...)。
やはり才能あるミュージシャンというのは,年を取っても凄いものですね。あやかりたいです。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年6月22日 (水) 22時48分
6月上旬には入手していたのに、なぜか聴く順番が遅くなってしまいました。でも、時間を置いただけあってかどうか、素晴らしい演奏が飛び込んできて、よかったです。
現代ジャズの範疇には入るんでしょうけど、ダークで都会的な、というイメージにはならずに、メンバーには自由にやらせておいて、あくまでもゲイリー・バートンの色で染めているようなところは気に入りました。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2011年7月 1日 (金) 17時19分
910さん,こんにちは。TBありがとうございます。
このアルバムは予想外のよさって気がしますが,メンツの選択が正しいんだろうなぁって思います。世代の違うミュージシャンを使いながら,若々しさを保っている感じがしますね。
追ってこちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年7月 2日 (土) 15時33分
Gary Burtonぽい温度感の楽曲を、盤石なメンツで絶妙に料理している好盤だったと思います。
書かれている通り、ちょっと前に来日した際も、ほぼこのメンツで来ていましたが。。
この後も、コンスタントにこのメンツで活動できるかが、どうしても気になってしまいます。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2011年7月28日 (木) 06時03分