懐かしのBlood Sweat & Tears
"Blood, Sweat & Tears" Blood, Sweat & Tears (Columbia)
これは相当懐かしいアルバムである。私が初めてこのアルバムを聞いたのはかなり昔のことだし,曲として本アルバムに収録されたヒット曲"Spinning Wheel"をラジオで聞いたのは更にその前のことになり,40年近く前にはなるだろう。以前,私はこのアルバムを保有していて,とうの昔に売っ払ってしまったのだが,中古盤屋でCDを見つけて懐かしくて買ってしまったものである。
Blood, Sweat & Tears(BS&T)と言えば,Chicago,Chase等と並ぶブラス・ロックの代表格である。ポピュラリティではChicagoが断トツだったであろうが,BS&TにはBS&Tの,ChaseにはChaseなりの魅力もあったはずである。だが,Chaseは"Get It On(黒い炎)"だけだって話もあるし,BS&Tについては私にとってはこのアルバムだけ。これ以外は聞いたこともない(爆)。今回,このアルバムを久しぶりに聞いてみて,同じJames William Guercioがプロデュースしていながら,Chicagoとは明らかに違うよなぁって思ってしまった。
私から言わせれば,Chicagoは適度なポップさがあって,より万人受けする音楽だと思うが,BS&Tはそれに比べると,ジャズ的な濃度が高いのである。そうした中で,このアルバムがヒットしたのはDavid Clayton-Thomasのソウルフルなヴォーカルあってのことだという説もあるし,Clayton-Thomasもそう思っていたはずである。しかし,アルバムを聞いていれば,他のメンバーのジャズ的な指向と,Clayton-ThomasのR&B的な指向が噛み合わなくなるであろうことは,このアルバムでも既に現れているように思える。おそらくClayton-Thomas以外のメンバーの本音は"Blues, Pt.2"のような演奏にあるはずであって,基本はジャズ的なものなのだったと思う。ボートラとして収められた"Smiling Phases"のオリジナルの3.5倍近くに及ぶライブの演奏時間なんかはまさにジャズ的ではないか。後にJoe HendersonやLarry Willis,更にはJaco Pastoriusまでがこのバンドに在籍したというのもそれを裏付ける。
Chicagoは「ブラス・ロック」という範疇を越えたポップさを打ち出すことで,長い間,人気を維持したのとは異なり,BS&Tのやっていた音楽はかなり時代に紐づいていた感覚が強く,こういう音楽はブームが過ぎれば,時代の徒花となってしまうことはある程度仕方がなかったことなのかもしれない。もちろん,他の作品を聞いていないので何とも言えないが,このアルバムを聞いていても,その後のBS&Tの凋落ぶりを見ていても,そうした見方はあながちはずれてはいないのではないかと思うのだ。
だが,このアルバムでは,Laura Nyroの"And When I Die"をちょっと不思議なアレンジで取り上げているが,徐々に勢いを増す演奏はなかなか楽しめる。最初に聞いたときはサティのジムノペディのアレンジから始まることにびっくりしてしまったが,今にして思えば,冒頭と最後をサティでというのは悪くないアイディアであったように思う。私にとって最も魅力的な曲は"Blues, Pt. 2"であることは間違いないが,このアルバムは"Spinning Wheel"に負うところが多いのは事実だと思う。David Clayton-Thomasはそうした意味ではAl Kooperが去った後のバンドを維持する推進力にはなったと言えるが,ほかのメンバーとはうまくいかなかったんだろうと想像している私である。
決定的な名盤というものではないが,時代を切り取ったアルバムとして,相応の価値は認めるべきアルバムだというのが現在の評価である。星★★★★。それにしても彼ら,まだ現役でやっているってのが凄いよなぁ。Jeff Lorber Fusionのアルバムにもホーン・セクションが参加したし...。
Personnel: David Clayton-Thomas(vo), Steve Katz(g, hca, vo), Bobby Colomby(ds, perc, vo), Jim Fielder(b), Fred Lipsius(as, p), Lew Soloff(tp, fl-h), Chuck Winfield(tp, fl-h), Jerry Hyman(tb), Dick Halligan(org, p, fl, tb, vo), Alan Rubin(tp), Lucy Angle(footsteps)
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まあ、、全てのタイトルを見ただけでもドラマチックですね。
サティの曲から始まり、サティで終わるなんて、これも、意表をついてて、アイデアとして面白いわ。
ジムノぺディは、独特な世界を持ってますよね、、、どんなアレンジかと、聴きたくなります。
また、私、びっくりしたわ。
You've made me so very happyって何となく聴いて好きだわ、って思っていた曲、声を聴いてわかった、一番聴いたのは、彼らのでした。
あと、sometimes in winterのコード進行で、とても好きな部分がありました。
the childもいい、今、youtubeで少し聴いたけど、好き、って思ったので、早速探してCD聴いてみます。
Jから始まる3文字を見つけると反応してしまいますが、今日も、とてもうれしかったです。
最近、あまり、音楽を聴いていなくて、桜さえ、心から、きれいね、ありがとう、って気持ちで見ていなかった。一年に一度しか会えなかったのに、、、しかし、うつ病だった会社の人が、元気になり、全く愚痴も言わないし、とても前向きで何かしたい、と言ってみえるので、それは、本当に良かったと思います。
今日は、桜を愛おしく眺めて感謝したいと思います。
投稿: ひまわり | 2011年4月14日 (木) 08時01分
ひまわりさん,こんばんは。返信が遅くなりました。ひまわりさんはこういう音楽もお好きだったんですねぇ。
それはさておき,今年は桜のもちがいいですね。風の強い日や雨が少なくて,開花後,好天が続いたせいでしょうかね。桜を愛でるって感じではないですが,心が和みます。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年4月15日 (金) 22時13分
今晩は!
私はもともとCHICAGOのファンでしたが、このアルバムは、良いんですよね!レコード持っております!でも今でもやっている知りませんでした!
聞いてみたいですね!
投稿: takeot | 2011年4月16日 (土) 21時08分
takeotさん,こんばんは。Chicagoとは随分違いますが,ブラス・ロックというカテゴリーでくくられていたのは今にして思えば笑えますよね。
今でも存続していることを知る人はまぁそうはいないでしょうが,やってるんですよねぇ,これが...。Arturo Sandvalがゲストで入ることもあるってWebサイトに書いてあったり,へぇ~ってなってしまいます。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年4月16日 (土) 21時27分
BS&Tで検索し、たどり着きました。
造詣の深いすばらしい記事だと思いました。
最近、音楽ブログを始めたのですが、
(Weekend In 心は L.A.)そこで、本記事を
紹介させていただいていいでしょうか?
ブログ初心者なもので、よろしくお願いします。
投稿: Aki | 2012年10月 6日 (土) 18時45分
Akiさん,はじめまして。「すばらしい記事」なんておっしゃられると面映ゆい限りです。
貴ブログも拝見致しましたが,私と同年代もしくはもう少し上の方かなと想像しております。ブログの運営,そして継続はなかなかハードルが高いですが,是非Akiさんが貴ブログを継続されんことをお祈りします。
さて,記事のご紹介を頂けるということであれば,大歓迎です。本来ですとトラックバックをさせて頂くというのが一番いいのですが,貴ブログのFC2と私の使っておりますココログは相性が悪く,トラックバックがうまくできませんので,記事にリンクを張って頂ければ結構です。
私はほぼ毎日駄文を垂れ流しておりますが,これからもよろしくお願い致します。
投稿: 中年音楽狂 | 2012年10月 6日 (土) 20時55分
ありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いします。
投稿: Aki | 2012年10月 6日 (土) 23時01分
Akiさん,My pleasureです。貴ブログにも引き続きお邪魔させて頂きます。今後ともよろしくお願いします。
投稿: 中年音楽狂 | 2012年10月 7日 (日) 00時13分