Dave Douglas Keystoneのピアニストによるソロ・アルバム
"Long Gone" Adam Benjamin(Kind of Blue)
私にとってAdam Benjaminと言えば,あのDave Douglas Keystoneのってことになってしまうのだが,これは彼の初リーダー作らしいが,なんとピアノ・ソロである。その後,2作のリーダー作を発表しているようだが,片やPowerBookとMIDIで作られたようなけったいな実験作,最新作はまたまたソロ・ピアノとなんだかよくわからない人である。しかし,Keystoneで聞かせるRhodesの響きは素晴らしい人なので,試しに購入してみた。
このアルバムを聞いていると,まぁコンテンポラリーなピアニストだなぁと思わせ,決して典型的ジャズ・ピアノという感じではない。それは選曲にも表れていて,Beach Boysというか,"Pet Sounds"からBrian Wilson作"Don't Talk(Put Your Head on My Shoulder)"が入っていたり,Tears for Fearsの"Head over Heels"が入っていたりと,このあたりはBrad Mehldauがロック・チューンをアダプテーションするような感覚と似ているかもしれないと思ったら,Mehldauの"Resignation"もやっているではないか。そのほかにMethenyの"Rejoicing"から"Story from a Stranger"なんかもやっている。そう言えば,トラッドの"He's Gone Away"もHaden~Methenyのレパートリーだしなぁ。そのほかにColtraneやらMonkやらOrnetteやらと,一体この人の頭の中はどうなっているのかと思わせるような選曲である。まぁ好きな音楽をやったってことだろうが...。
冒頭は"Giant Steps"からスタートするのだが,何ともミニマル的な展開でまずびっくりさせてくれる。これは一筋縄ではいかんと思わせるのである。その一方で,"Resignation"ではMehldau的左手,"Willow Weep for Me"ではストライド的な展開を聞かせたりして,多才なのはよくわかるんだけど,どうもKeystoneでのBenjaminを期待する私のようなリスナーにはかなり微妙である。正直言ってしまうと,一貫性がないのだ。どうせなら,KeystoneみたいにもっとRhodesをうまく使った演奏をして欲しいなぁと思っていると,最後の最後に,Benjamin作のタイトル・トラックでそんな感覚が現れるに留まるというのはどうにも惜しいような気がする。
繰り返しになるが,この人の多才さについてはよくわかるとしても,アルバムとしてはう~むと首を傾げざるを得ない出来なのである。まぁ一言で言えば分裂症気味な感覚ってところかもしれない。やはりこの人については,Dave Douglas Keystoneで聞くのが一番だと思わせるようなアルバムであった。ちょっと辛めかもしれないが星★★。
Recorded in April, 2007
Personnel: Adam Benjamin(p, rhodes)
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