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2010年9月 7日 (火)

無茶苦茶な高値が付く"Mermaid Boulevard"

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"Mermaid Boulevard" 渡辺香津美(Alfa)

このアルバムは,Lee Ritenour & His Gentle Thoughtsが来日した際(断言はできないが,渡辺貞夫との共演で来日した時,即ち"Autumn Blow"を吹き込んだ頃ではないだろうか)に録音されたものと思われるが,Alfaレコードがつぶれてしまった今では,CDがとんでもない高値で取引されているアルバムである。LPは結構な安値で取引されるのに,CDが高いってのも何だかなぁという気もするが,それはさておきである。

断言してしまうが,このアルバムは決して渡辺香津美のフュージョンとしての最高傑作ではない。むしろ,この程度のアルバムが超高値で取引されねばならないことに私は疑問を感じるのである。もちろん,メンツがメンツである。そんなにひどい出来のアルバムになるはずはないのだが,何回聞いても,このアルバムには私は興奮させられないのである。私の場合,アルバムが手に入らないものだから,某所でゲットしたダウンロード音源で聞いているから,感慨が違うのだと言われてしまえばその通りかもしれない。そりゃ大枚はたいたのと,「ただ」で音源をゲットしたのでは感覚が違って当たり前なのだ。

冒頭のタイトル・トラックはなかなか感じのよいイントロから始まって,これってGentle Thoughts(あるいはその後のFriendshipでもいいが...)のアルバムみたいだと思うのは多分私だけではないだろう。その後も,なかなかの演奏は続いていくわけだが,渡辺香津美という人の実力(あるいは"TOCHIKA"や"MOBO"のレベル)からすれば,この程度はできて当たり前ではないのかという気がするのである。それに加えて,何じゃこりゃという2曲目の"Neptune"のイントロのようなわけのわからんものがあったりで,水準は保っていても,ちょっとこれはなぁ~と思わせるものがあるのである。もちろん,香津美とRitenourの2ギターで聞ける"Sugarloaf Express"のように感慨を覚えてしまうものもあるが...。

いずれにしても,一発セッション・アルバムなのだから目くじらを立てても仕方がないだろうという気がしないでもないのも事実で,評価についてはまぁ稀少度も込みで大甘で星★★★☆ってところか。いずれにしても,このアルバムが現在取引されている金額は,少なくとも私にはToo Muchである。

皆さん,インターネットをうまく利用しましょうね(余計なお世話!)。

Personnel: 渡辺 香津美(g),Lee Ritenour(g),Patrice Rushen(key),Ernie Watts(ts, ss, fl),Anthony Jackson(b),Harvey Mason(ds),Steve Forman(per),深町 純(key),吉田 美奈子(vo)

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ジャズ(2010年の記事)」カテゴリの記事

コメント

おお、懐かしいですね。あの当時はこれが結構好きでした。なかなか再販しないなあと思ってたら、そういう事情ですかあ。

カビゴンさん,こんにちは。今日から北京に出張です。そのフライト前に書いています。

本作,お好きでしたか。よくわかるんですが,このCDに1万円以上(あるいは2万近く)出すってのはちょっと厳しいですよねぇ。まぁ再発してもいいとは思いますけど。せめてこうした廃盤はMP3のダウンロードで販売すればいいのにと思います。

蛇尾です。
 
確かに、欲しいCDやLPは、ある程度の金額を支払っても手にいれたくなりますが、1万以上2万円もすると考えちゃいますね。

ぼくも、DTS仕様のCDを集めていたときはある程度の金額でも手に入れてましたが…。

しかし5日付記事のDavid Lindleyは、LPでは数枚持っていましたが、CDでは持っていないことに気付きました。まだ1stは普通に販売してたので購入したいと考えていますが、案外、廃盤ってやつが多いんですよね。

でも、sonyやワーナー系のアルバム5枚セット(以前、ここでも取り上げていましたが)が安価で手に入る世の中、なんとかならんでしょうか。

蛇尾さん,こんにちは。出張中につき返信が遅くなってしまいました。
格安5枚組で再発っていうのはいいアイディアですが,あれはある程度枚数がさばけそうなビッグネームが多いですから,David Lindleyのようなニッチな人が出る可能性はどうでしょうかねぇ...。まぁ,逆に何もしなければ,新たに売れる可能性は高くなさそうですし,やはり格安盤での再発がいいのかもしれませんね。

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