猛暑に怒涛のECMリリース・ラッシュの中で,Nik Bartschである。
"Llyria" Nik Bartsch's Ronin(ECM)
日本では猛暑が続いていて本当に嫌になってしまうが,ECMレーベルの音楽というのは,そうした暑苦しさとは対極の,どちらかと言えばクールな音楽が多い。しかし,そんな日本の事情は関係ないのか(当たり前だ!),8月に数多くの新譜がECMからリリースされており,Jason Moran入りCharles Lloydや濃い~メンツのMichael Formanek等,注目すべき作品が発売されている。そんな中で,私がいの一番に聞きたいと思ったのがNik BartschのECM第3作となる本作である。
Nik Bartschの音楽は,楽器編成はジャズ的なのだが,やっている音楽はミニマル・ミュージックであり,そうした意味では現代音楽的な要素も強い。しかし,一般的なミニマル・ミュージックよりもファンク色というか,ビートが明確なところがこの人の音楽の特徴である。私はECM第1作の"Stoa"で一発でこの人たちの音楽が好きになり,それ以来,ECM作だけでなく,結構追いかけている。そもそも私はReich等を筆頭とするミニマルも好きなので,こうした音楽を好む傾向は元からあっただろうが,この人たちのいいところはビートをうまく組み合わせたところなのである。実のところ,価格だけ考えれば,デリバリーが遅くなっても,某サイトでの注文でのまとめ買いでの大幅ディスカウントを取ってもよかったのだが,この人たちは少しでも早く聞きたいと思わせるほどの魅力が私にとってはあるのである。 この音楽をジャズのカテゴリーに入れていいのかは悩むというところもあるが,まぁそれはそれということにしておこう。
このアルバムを聞いてまず感じたこと,それは冒頭からミニマルらしからぬ展開である。これには実のところ,非常に驚かされた私である。ミニマル的なのはバックに響くBartschのピアノだけで,あとは普通の演奏のようにも聞こえる。今回のアルバムはどちらかというと,ミニマル色は比較的抑制されているというのが私の感覚である。それでもアルバム後半に推移するに従って,それっぽい音が増えてくるのも事実であるが...。
しかし,そんなことは別にしても,今,こうしたコンテンポラリーなサウンドで,これだけカッコいい音が出せるバンドはそう多くはないように思える。私にとってはDave Douglas & Keystoneと双璧と言ってもよいぐらいである。今回もそのカッコよさは健在というか,どんどん私の心に浸食してくるのである。それは私がこうした音楽を気持ちよいと感じるからだという気もするが,それにしてもやっぱりいいわぁ。こうした音楽は全くECMらしくないという気もするが,この人たちと契約したManfred Eicherの慧眼に最敬礼をしたいと思う。あくまでも私の嗜好にフィットするということで,甘いかもしれないが星★★★★☆。
Recorded in March, 2010
Personnel: Nik Bartsch(p), Sha(as, b-cl), Bjorn Meyer(b), Kaspar Rast(b), Andi Pupato(perc)































































































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