救いがないが,映画としてはよく出来ている「告白」
監督:中島哲也
出演:松たか子,岡田将生,木村佳乃
未読ながら,湊かなえの原作は本屋大賞を受賞しているから,そちらはそちらで面白いはずである。そんな原作を映像化したのは「パコと魔法の絵本」の中島哲也だが,前作に比べると随分とトーンが異なる映画を作ってきたなぁという気がする。前作(記事はこちら)が極彩色の映像の中に,ファンタジー色が強い作品だったが,この作品は,暗く,残酷で,救いがない。
ストーリーとしては決してリアリティがあるとは言えないが,それは置いておいても,この映画で最も強烈なのは松たか子の「表情」だと言ってもいいのではないかと思う。ラスト・シーンに近づいていくに従って,彼女が見せる狂気にも似た感覚を感じさせるその顔,目の演技が凄いのである。はっきり言って,下手な怪奇映画よりもはるかに怖い。これまでの松たか子のイメージを完全に覆す激演と言っていいように思う。
ただ,このストーリーには,本当に何の救いもないので,見ていて気分が悪くなる観客がいても不思議ではないし,今日日の中学生ってのはこんな感じなのかと思うと,子を持つ親としては気が滅入る。しかし,シナリオはうまくまとまっていると思うし,映像としても最後まで集中力を要求するようなかたちが続いていて,映画としてはよく出来ていることは認めなければならないだろう。ストーリーそのものは原作に結構忠実なようだから,原作そのものに救いがないってことになるが,映画単体として個人的に好きか嫌いか,あるいはもう一度見たいかどうかは別問題である。だが,全編を通じてテンションを維持しきった中島哲也の演出とうまくまとめた脚本の手腕は評価する必要がある。ということで,星★★★★とするが,こんなもん,TV放映できるのだろうかと余計な心配をしたくなってしまった。いずれにしても,色々な意味で恐ろしい映画である。
それにしても,このポスターはないよなぁ...。
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