Michael Landau対Robben Ford:いい勝負をしている
"Renegade Creation" Michael Landau / Robben Ford / Jimmy Haslip / Gary Novak (Shrapnel)
メンツからすれば,ジャズの文脈でも語れる人たちであるが,これは完全なブルーズ・ロック・アルバムである。しかもなかなかよい。
私は昔からMichael Landauというギタリストを結構ひいきにしてきたつもりであるが,彼のリーダー作っていうのはあまり面白いと思ったことがない。むしろ人のバックにいるときに素晴らしいプレイを聞かせる人だと思っている。今も昔も,Landauと言えば,私にとってはJoni Mitchellの映像ソフト"Refuge of the Road"(記事はこちら)なのだが,そこで見せつけられたLandauのギターの技には,いつも感心させられている私である。もともとはLukatherクローンではないかと思っていたのだが,これはかなり凄いと思わされたソフトであった。しかし,そんなLandauも,上述のとおり,リーダーになるとどうも半端な感じが強かったのである。
そんなLandauではあるが,ここではRobben Fordという好敵手を得たからか,はたまたギタリストの血か,非常に優れた演奏を聞かせているではないか。まさにいい勝負であり,とにかくカッコいいのである。今回の作品はヴォーカル入りがほとんどなので,完全にロックな乗りであるが,ギタリスト2人のフレージングを楽しむもよし,彼らのヴォーカルを楽しむもよしって感じである。しかもそれを支えるのはHaslip~Novakという強力リズムだし。彼らが煽られるのも当然である。
今回,このアルバムを聞いていて,Landauの声が私にはMark Knopflerのように聞こえて仕方がなかったのであるが,Robben Fordとの声の違い,ギター・フレーズの違いもはっきりしていて非常に面白かった。いずれにしても,私はロック魂溢れるアルバムとして,かなり楽しんだことは間違いなく,このアルバムを聞いて,彼らの8月のライブハウス公演への参戦を決意したのである。多分,私は生で聞いたら相当燃えてしまうだろう。そう思わせるぐらい,ロック的な感覚では今年一番よかったと言ってもよい作品である。ということで,ちょっと甘いが星★★★★☆。
本アルバムをリリースしたShrapnelレーベルというのは,ヴェテランのギタリストたちのアルバムも多数リリースしているが,中年以上のギター好きならおぉっ!となるようなメンツが結構揃っていて笑ってしまった。やはりこれはギター好きが作ったアルバムということで,その罠にずっぽりとはまってしまった私の単純さは,我ながら笑える。
Personnel: Michael Landau(g, vo), Robben Ford(g, vo), Jimmy Haslip(b), Gary Novak(ds, b), Dustin Boyer(vo)
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コメント
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私、Jimmy Haslipのすごさに、驚いています。
この記事を読んで、やはり、そういう人なんだ、と納得しました。
こういうタイプの先生が中高時代にみえました。派手な服装、お上手は言わないけれど、実があり、人としての大切なことを、行動で教えてくれる。
JimmyのBassが支えてくれていると、安心だけでなく、音楽がさらに輝き出し、持てる力がもっと発揮される。
投稿: ひまわり | 2010年6月 3日 (木) 07時53分
ひまわりさん,おはようございます。本日は青森におります。
JimmyはJeff Lorber Fusionの新譜でもベースを弾いていますよね。本作ではプロデュースも兼ねていて,実はこのアルバムの元締めは彼なんですよね。それを考えるとひまわりさんの「安心だけでなく、音楽がさらに輝き出し、持てる力がもっと発揮される
」というコメントは大きくうなずけるものなんです。
私のところにはまだJLFは来ていませんが,早く来ないかなぁ。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年6月 3日 (木) 08時07分
まあ残念、、、やはり、そうでしたか、、、、
私の友人も、某レコード店でかなり前から予約してあったのに、入荷が遅れているらしく、店頭にも無かったようです。
これって、切ない、、、輸入版は、遅れが出たり、延期になることがあります、と説明を受けたようですが、原因を調べて、私がお手伝いしたいくらいです。
発売日に、店頭に並んでいるって、本当は、すごいことだったんですね。
私はアマゾンで購入しましたが、2枚目の予約の分は、発売前に予約しましたが、在庫切れみたいで、まだ、送られて着ていません。
クレジットや、代引きだと、早く届きます。でも、本当に、良い作品ですから、もう少しだけ、もう少し、待ってて下さいね。
私は、何を言ってるのでしょう、、でもヤキモキしてしまいます。ここ数日、ウキウキ、ドキドキ、ヤキモキ、の連続なんですよ。
聴く前から、あまり内容をお話してはいけませんが、クリスさんも言ってみえましたが、Jimmyは、すごい人だと、今回の作品で思いました。
アイデアも天才の域だと思いました。Jeffが、Youtubeのビデオで、Jimmyのアイデア、と言っていた作品は、
ウェザーリポートの原曲を超えて、どうしたら、こういう音楽が生まれてくるのか?と、何度も、聴き返しています。
Jimmyは演奏者のみならず。知恵袋で、頼りになる存在なのでしょう。
音楽狂さんのお話に納得です。
また、惜しみなく良い部分を出し合え、意見を言い合える関係というのが、いいなぁ、と思えました。
投稿: ひまわり | 2010年6月 3日 (木) 22時28分
青森、いいですね。
ランプの宿、って温泉に行った記憶があります。生まれて初めてホタルを見ました。ヒメマスは、美味しかったです。
投稿: ひまわり | 2010年6月 3日 (木) 22時33分
ひまわりさん,こんばんは。
コメントを頂いて,ますます聞きたくなりますが,こればかりは仕方がないですねぇ。とにかく待つしかありません。
ところで,青森はうまいものの宝庫ですね。冬は厳しいですが,今回は本当にさわやかな新緑の青森で,B級グルメやら,新鮮な素材やらを楽しませて頂きました。また行きたいなぁ。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年6月 4日 (金) 00時06分