"The Stanley Clarke Band" Stanley Clarke(Heads Up)
最近出張ばかりで,真っ当に音楽を聞いていない生活が続いているため,久々の音楽ネタである。ブログ名称も考え直さないといけないなぁ,とは冗談だが。
私は上原ひろみが客演したStanley Clarke Trioのアルバムにおいて,「アコースティックにこだわる必要はなかった」と書いた(記事はこちら)が,私の声がStanleyに届いたということでもなかろう(爆)が,今回はほぼオール・エレクトリックである。しかも"Featuring Hiromi"と謳っているので,上原ひろみ全面参加かと思わせるが,上原の出番は後半のほぼ半分だけであり,「看板に偽りあり」と言われても仕方がないところがまず気になる。そもそも,ライナーには上原は"Very Special Guest"とあるから,あくまでもゲストなのである。このあたりに商売っ気を感じてしまって,ちょっと違和感がある。
ここでいうStanley Clarke BandとはStanley,キーボードのRuslan,ドラムスのBrunerというのが基本編成であり,そこにゲストが加わるという構成であるが,その中で別格扱いになっているのが上原ひろみということなのである。Ruslanだって結構実力のあるプレイヤーだと思えるのに,こんなことをされてはくさらないかねぇなんて余計な心配をしてしまうが,上原の出番を半分にしたのは,StanleyのRuslanへの親心か?
しかし,演奏としては,そうそう,こういう方がStanleyらしいねぇと思うような,「俺が,俺が」状態である。Stanleyのアルバムでは当たり前だが,ミキシングもベースが一番でかい。かつ,タイトなバンド演奏が収められていて,私はトリオ作よりはるかに好きである。"No Mystery"なんか私はRTFのオリジナルよりいいのではないかと思ってしまったぐらいだ。その中でも特に面白いのが"Larry Has Traveled 11 Miles And Waited a Lifetime for the Return of the Vishnu's Report"とフュージョンを語る上で,欠かすことのできないメンツの名前(Larry Coryellの11th Houseをほかのメンツと同格に扱うかどうかは別にしてである)を織り込んで,非常に強力なハード・フュージョンを展開しているところである。きっちりJoe Zawinulに捧げながらも,私はこういうシャレ心に嬉しくなってしまった。その一方でRollinsに捧げたまんま"Sonny Rollins"なんてStanleyのオリジナル曲もあるが,Rollinsのカリプソ・タッチを取り入れているのはわかるが,はっきり言ってアルバムの中では浮いている気がする。このあたりの選曲を考えてくれたら,もっと好きだったなぁと思うと惜しい。それはハード・フュージョンの方が好みの私にとってはという話だが。
まぁ,そうは言っても,Stanleyらしいイケイケ・アルバムということで星★★★☆ぐらいにしておこう。それにしても,StanleyのAlembic,年季が入っているなぁ...。
Personnel: Stanley Clarke(el-b, b, vo), Ruslan(p, key, synth), Ronald Bruner Jr.(ds), 上原ひろみ(p), Charles Altura(g), Cheryl Bentyne(vo), Armand Sabal-Lecco(el-b), Bob Sheppard(ts, ss), Lorenzo Dunn(b-synth), Chris Clarke(prog), Jon Hakakian(prog), Doug Webb(sax), Andrew Lippman(tb), John Papenbrook(tp)
最近のコメント