"Rubber Soulive"とは威勢がいいが...
"Rubber Soulive" Soulive(Royal Family)
はっきり言ってしまうと,私はジャム・バンドにはほとんど関心がない。よって,Souliveもまともに聞いたことはなかったのだが,The Beatlesの超有名曲をギター~オルガン~ドラムスという編成で,ファンク・フレイバーでやるとどうなるのかという点に関心があって,このアルバムを買ってみた。この編成であるから,私が期待するのは,ソウルフルかつファンキーなアダプテーションである。ただ,曲が有名過ぎてやり辛い部分はあるだろうから,これはお気楽に見えつつ,実はチャレンジングなお題ではないのかとも思う。
そうした中で,冒頭の"Drive My Car"は快調にスタートし,うむうむ,これならいいかもと思わせるオープニングである。まぁもとがソウルフルな曲とも言えるのでそれは当然のことかもしれない。しかし,このアルバムを聞き進めていくと,どう聞いてもこの人たちに合いそうな曲と,そうでなさそうな曲がはっきりしてくるのである。まずずっこけるのが"In My Life"である。オリジナルのアレンジを結構踏襲しているのはわかるが,本来チェンバロで弾いていたものをハモンドに置き換えるだけでは不十分であり,これにはもう少し工夫が必要だったはずである。それに比べると,"I Want You"や"Come Together"のようなJohn Lennonらしいヘビーな曲は,この人たちにはるかにフィットしていると思えるのである。
まぁ編成が編成だけに,主メロをギターが担う場面が多いのは仕方がないのだが,それでももう少しアレンジの幅を広げる必要もあるだろう。ただ,上述のとおり,オリジナルが有名過ぎるのでなかなか難しいとは思うのだが,通り一遍の演奏であれば,オリジナルを聞いていればいいということになるのである。よって,こうしたアダプテーションには,ミュージシャンとしての個性を常日頃以上にぶち込むぐらいの根性がないとなかなかうまくいかないのではないかと思う。そういう意味で,私にはオリジナルへのこだわりがあまり見えない"Revolution"のような曲を評価したくなってしまうのである。結局,私がこのアルバムである程度評価したくなるのはJohnの曲が多くなってしまうのは偶然だろうか。
そうは言いながらも,曲が曲だけに,懐かしさも相まって楽しめるアルバムであることは事実なのだが,「そうくるか~」という意外性や「崩しの美学」に乏しいのが何とも残念。星★★★。ギターをサックスに変えた編成の「放し飼いトリオ」ならこれらの曲にどう挑むかちょっと興味が湧いてしまった私である。いずれにしても,単一アーチストがアルバム全体をThe Beatlesのカヴァーってのはやはりチャレンジングなものだと改めて痛感した私である。
Personnel: Alan Evans(ds), Neal Evans(org, key), Eric Krasno(g)
« ほとんど毎日やってくるTrojanウイルス | トップページ | クラシックのアダプテーションはロックでも機能することを証明した一作 »
「新譜」カテゴリの記事
- クリポタの新譜への期待が高まる。(2026.03.08)
- Jeremy Peltの新作をストリーミングで聞く。タイトルに込めた意図ほどは激しくはないがいい出来だ。(2026.03.05)
- Kris Davisによる越境型音楽。もはや現代音楽と言った方がよいだろう。(2026.02.24)
- 今井美樹の新作をストリーミングで聞いた。冒頭からのポップな響きに戸惑う。(2026.02.23)
「ジャズ(2010年の記事)」カテゴリの記事
- 2010年を回顧する(その4):音楽編(ジャズ)(2010.12.22)
- 2010年を回顧する(その3):音楽編(非ジャズとライブ)(2010.12.21)
- まさに夢見心地:"Scenes from a Dream"(2010.12.15)
- 中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第6回)(2010.12.16)
- Deodatoの新作は気持ち良過ぎるメロウ・グルーブ(2010.12.13)
コメント
« ほとんど毎日やってくるTrojanウイルス | トップページ | クラシックのアダプテーションはロックでも機能することを証明した一作 »


































































おはようございます。EVAです。
Souliveのビートルズ・カバーですか、以前だったら買っていたかも知れません。(爆)
彼らのCD2~3枚持っていますが、最初は珍しさもあって聴いていましたが、その内飽きて来ました。
私はビートルズもカバーモノは好きな方ですが、どう料理しているか、それに尽きますね。
私はサラ・ヴォーンのカバーアルバムが一番好きです。
投稿: EVA | 2010年3月 8日 (月) 07時15分
>ギターをサックスに変えた編成の「放し飼いトリオ」ならこれらの曲にどう挑むかちょっと興味が湧いてしまった私である。
ムム。。
放し飼い的には正しい解釈なのですが、、
個人的にはあのバンドで、あんまり聴きたくない、、気がします。
ビートルズカバーって、私もサラボーンはじめ、少し持ってるんだけど。。
放し飼いかぁ。。なんか。。やだなぁ。
投稿: すずっく | 2010年3月 8日 (月) 18時28分
EVAさん,こんばんは。私もこの編成,この演奏だと,多分何枚も聞いていれば飽きると思いました。
だから,彼らもサックスを入れたり,いろいろやっていたんだろうなぁと想像してしまいますが,いずれにしてもこの作品は玉石混交だと思いますね。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年3月 8日 (月) 18時59分
すずっくさん,続けてこんばんは。
清く正しい「放し飼い」のパトロンとしてのスズニカ男爵夫人はそう思うかもしれません。しかし,私の興味は彼らならどう崩すか,その一点です。そういう意味では興味深いと思っています。でもやらないだろうなぁ,きっと。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年3月 8日 (月) 19時01分
そこまで嫌だといわれるとやりたくなるというのもまた人情(笑)。作戦考えるかな。
投稿: こやぎ@でかいほう | 2010年3月 9日 (火) 01時55分
>しかし,私の興味は彼らならどう崩すか,その一点です。
それも、わかるんだけど、、
あのサウンドで、、、ビートルズなら、あれしかないなぁ。。
>作戦考えるかな。
だから、、閣下もどーーしても、っていってないから。。考えなくていい。(きっぱり)
投稿: すずっく | 2010年3月 9日 (火) 22時38分
こやぎさん,おはようございます。
さすが天邪鬼な反応ありがとうございました。期待して(しないで?)待ってます。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年3月10日 (水) 09時27分
すずっくさん,コメントがアンビバレントな感じですねぇ。一体どっちやねん?(笑)
投稿: 中年音楽狂 | 2010年3月10日 (水) 09時29分