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2010年3月24日 (水)

これまた久しぶりに聞いたJohn Beasley

John_beasley

"Cauldron" John Beasley (Windham Hill Jazz)

一時期,Windham Hillレーベルはジャズ系のアルバムも制作していて,プロデューサーにはWalter Beckerを迎えていたのだが,私はそのBeckerに反応して,何枚かアルバムを購入したことがある。それも私の在米中のことであったが,あの頃はほとんど毎日のようにダウンタウン(と言ってもCity Hallや今は亡きWTCのそばである)にあるJ&R Music Storeに通っては新譜のチェックをしていたから,情報量はかなり豊富だったし,自分でいろいろ見つける楽しみもあった。このアルバムもジャズ・コーナーの新譜ラックに並んでいたものを手に取ってみて,プロデューサーがBeckerと認識し,かつ参加しているミュージシャンがなかなかよさそうだというだけの理由でゲットしたものである。これで聞いてみてガックリというようなこともあるが,これはまぁ許せるって感じだったと記憶していた。しかし,ここ何年も実家に置きっ放しだったので聞く機会が全然なかったのだが,今回,本当に久しぶりに聞いてみた。

このアルバムを購入した当時には気づかなかったのだが,John Beasleyは一時期Miles Davisのバンドに在籍したことがあって,特にこのアルバムの前半なんかはMilesの"Tutu"やら"Siesta"あたりの感覚を結構感じさせるなぁと今回思ってしまった。共演経験だけで,そうした印象を残させてしまうMilesという人の強烈さをここでも思い知らされるわけだが,アルバム全体を通して聞けば,それだけなく,ブラジルやアフリカのフレイバーも取り入れて,なかなか多彩な音楽になっている。だからと言って,強烈な個性を感じさせるほどのプレイヤーだとは思わないのだが,そこそこ聞けるアルバムだとは思う。

しかし,どうなんだろうか。ブラジル風味の"Catalina"なんて,どこかで聞いたメロディ・ラインで,これが本当にBeasleyのオリジナルなのか疑問に思える部分もある。また,全体的に地味な作りで,フュージョン・フレイバーの強いジャズ作なのだが,やはり中途半端な感じがぬぐいきれないのである。これはBeckerのプロデュース作全般に言えることだと思うのだが,全体的に感じられる当り障りのなさが,アルバム全体のカラーを不明確なものにしてしまってはいないだろうか。

結果的に見てみれば,私はどうもプロデューサーとしてのWalter Beckerを評価できないということになってしまうのだろう。それはRicky Lee Jonesの"Flying Cowboys"のときにも感じていたことだろうし,そうした印象が本作でも同様に感じられるのである。同じWindham Hill JazzのBob Sheppardの"Tell Tale Signs"ってアルバムもあったが,こちらは久しく聞いていないので何とも言えないが,ものはためし,聞いてみることにしよう。いずれにしても,私はSteely Danの音楽は好きだが,Beckerのプロデューサーとしての資質までもろ手を挙げて認めてしまうということにはならないということである。星★☆。

Personnel: John Beasley(p, synth), Steve Taveglione(ts, ss, fl, EWI), Bob Sheppard(ts, fl, b-cl), Dean Parks(g), John Patitucci(b), Ricky Minor(b), Peter Erskine(ds), Ricky Lawson(ds), Bill Summers(perc), Darrryl Munyungo Jackson(perc)

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