Luca Mannutzaの新譜を聞いて思うこと
"Tributo Ai Sestetti Anni 60" Luca Mannutza Sound Six(Albore Jazz)
最近はイタリア・ジャズを聞く機会も増えてきた私であるが,基本的にはハードバップを今日的にやらせれば,イタリア・ジャズのレベルは非常に高いと思う。このアルバムもまさにそういう感じなのだが,本作を何度か聞いて,どうしても私にはぬぐい去れない違和感が残っているのである。私のブログのお知り合いにはイタリア・ジャズをお好きな方も多数いらっしゃるので,ちょっと書くのに躊躇がないわけではないが,やはりこれは一度問題を提起しておいた方がいいのではないかと思えるので,敢えて書くことにする。
本作において私に残された違和感,それは「破綻のなさ」,「小奇麗さ」っていう感じだろうか。ジャズには色々なスタイルがあって,例えば往年のウエスト・コーストの編曲,アンサンブル重視のようなものもあるから,所謂ウエスト・コースト・ジャズに感じる感覚と同じなのではないかという話もある。しかし,ちょっとそれとは違うのである。それはこの作品が発売された時の惹句として使われていた「炎のモーダル~ハードバップ」という表現との乖離によるところも大きいのではないかと思う。
つまり,ミュージシャンの質は高いし,アドリブもそれなりにいけているので,一聴している分には全然問題はないのであるが,私の中でこの音楽を聞いていて「燃える」部分や「高揚感」が希薄なのである。だからこそ,「炎のモーダル~ハードバップ」と言われると「う~む」となってしまうのである。
こういう感覚というのは,以前このブログで取り上げたHigh Fiveのライブ盤への感想と似ている(記事はこちら)。私はそこにも書いたが「ラテン系のプレイヤーに黒人同様の情念的なプレイを求めることに無理があるのは承知しているが,それでもこの軽さはやはり ちょっと気になってしまう」というのがまさにこのアルバムにも当てはまってしまっている。同じメンバーでもライブなら違うかもしれないが,High Fiveはスタジオ盤の方が少なくとも燃えていたという感覚もあるから,一体どうなのよという気もしてしまう。
いずれにしても,私はジャズという音楽(特にハードバップ))には,幾ばくかの危なっかしさがあっていいと思っているし,多少演奏に破綻があろうとも,リスナーを唸らせるような,あるいは興奮させるようなエネルギーを感じたいクチである。もちろん,私とて,ECMレーベルの諸作を聞いている時にはそんなものは一切求めないが,読んで字のごとく「炎のモーダル~ハードバップ」と言われるならば,ハイ・エナジーの演奏の方が私はいいと思っている。
敢えてこんなことを書く必要はないという気もするが,やはりぬぐい去れない違和感はいかんともしがたいのである。High Fiveのときにも書いたとおり,これは期待値の裏返しということであるのだが,イタリアのミュージシャンには,こじんまりまとまるのではなく,もっとラテン系らしくはじけて欲しいし,ぶちかまして欲しい。西洋音楽の伝統をしょっているイタリアというお国柄も多少影響していることもあろうが,こういう調子で続けていると本当に飽きられてしまって,せっかくの質の高いミュージシャンたちが,一時的なブームで注目もされなくなってしまうのではないかと思えて心配である。そういう意識も込めて星★★★。
逆の意味では,ひいきの引き倒しのようになるが,同じいイタリアでもPaolo Fresuとか,Enrico Pieranunziって個性的なんだよなぁとつくづく思ってしまった私である。こんなことを書いてしまうと,皆さんから矢のようなコメントが入ってくるかもしれないが,それも仕方あるまい。そう言えば,同じような感覚をブログのお知り合いであるヨシカワさんもお書きになっていたように思うが,どうなんだろうなぁ...。いずれにしても,私もControversialだなぁと思う。性格だな(爆)。
Recorded on November 5 & 6, 2009
Personnel: Luca Mannutza (p), Andy Gravish (tp), Paolo Recchia (as), Max Ionata (ts),Renato Gattone (b), Andrea Nunzi (ds)































































































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