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2010年1月16日 (土)

Pink FloydはAORである

Echoes"Echoes: The Best of Pink Floyd" Pink Floyd(EMI)

いきなり挑発的な主題である。Pink Floydのファンが見たら怒るんではないかと思ってしまうが,それはさておきである。

私はプログレッシブ・ロックは結構好きなのだが,実はPink Floydってのはあまり熱心に聞いたことがないというのが実態であった。それは子供の頃(ラジオでCarpentersなんかを聞いていた頃だ)聞いた"The Dark Side of the Moon"のよさが,その頃はさっぱりわからなかったという原体験によるものだったかもしれない。それにPink Floydと言えば,アブドーラ・ザ・ブッチャーのテーマとして「吹けよ風,呼べよ嵐」(敢えて邦題で書いてしまう)が使われていたというプロレスのイメージが強過ぎたこともあるかもしれない。しかし,彼らのコンピレーション盤"Collection of Great Dance Songs(時空の舞踏)"(それにしても何と諧謔的タイトル!)を聞いて,そんなイメージは払拭され,このブログでもDavid Gilmour"のライブ盤も取り上げた(記事はこちら)し,ある程度はバンドとしてのアルバムは保有している。しかし,今から彼らのキャリアを通じて追いかけようなんて気持ちはないという程度だから,決して大ファンとは言えない。

そんな私にとって,この2枚組ベスト盤は,彼らのキャリアを俯瞰できるという点では非常によかった。しかも中古で結構安値(2枚組で¥1,000そこそこ)で仕入れられたのだから文句はない。

Syd Barrett存命中の演奏なんて時代を感じさせるものだが,特に活動後期に入ってからのPink Floydというバンドの音楽を聞いていて,私が思ったのはプログレっていうよりAOR的だなぁという感覚だったのである。それが本日の記事の挑発主題につながっているのだが,これはなぜかと言うと,彼らの音楽ではあまり激しいビートが刻まれず,たゆたう川の流れのような音楽だからなのではないかと思う。一言で言えば,落ち着いている。そこに切り込んでくるGilmourのギターには鋭さがあり,メンバーが皆ヴォーカルを取れる(Nick Masonは例外か?)ことによる多彩さも存在するが,彼らの音楽は私のような中年が聞いていても疲れることがないのである。よって,ロックの激しさというものをあまり感じさせないという点で,AORだと感じてしまったと言ってよい。

それにしても,このアルバムを聞いていると,本当にいい曲が多いバンドだったのだなぁと思わされる。しかも,このアルバムでは曲順もよく練られていて,流れがスムーズなのも素晴らしい。そんな中で,私が彼らの曲で一番好きなのは"Shine on You Crazy Diamond"なのは不変であるが,やっぱりこの曲はこのアルバムにおいても,いつ聞いてもいいわぁという魅力に溢れていた。いずれにしても,このアルバムを通じて,今更ながらPink Floydの魅力を再認識した私であった。これぞまさしく温故知新,今年の私のテーマである。ということで,星★★★★★。

Pink Floyd: David Gilmore, Nick Mason, Roger Waters, Richard Wright and Syd Barrett with other musicians

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ロック」カテゴリの記事

コメント

おはようございます
AORと言うのは、私はビックリしましたが、ホントいい曲が多いと言うのは、その通りだと思いますね
私は昨年ポンドが安かったときに、アマゾンUKで2千円くらいで4枚組みのレコードを手に入れました。ラッキーでした

takeotさん,コメントありがとうございます。

AORのイメージもあるとは思うのですが,さすがに言い過ぎだったかなぁと思いつつも,「大人のロック」:即ちAdult Oriented Rockという意味で書かせて頂きました。

やっぱり挑発的でしたかね。

「大人のロック」で良いと思いますね
そういう雑誌もあって毎回買っております
今の若い人はプログレは聞くのでしょうかね?
きっと若い時に聞いた「大人」がまた聞いているような気がします。私も最近YESを聞いていますよ!中々いいです!
では仕事に行ってまいります

takeotさん,はい。おっしゃるとおりです。最初から「大人のロック」って書けば挑発的ではなかったですねぇ。

若い人がプログレを聞いているのかはわかりませんねぇ。私が昔,YesのライブをMadison Square Gardenで見た段階で,聴衆に若者って感じの人はいませんでしたが(爆)。

Yesはいつまで経っても好きなバンドであることには間違いなく,私も何枚かiPodに突っ込んで聞いております。

おはようございます
ニューヨークでYESをご覧になったんですか?
凄いなあ!ところで昨夜「狂気」のUKオリジナル盤というものをヤフオクで落札しました
さてオリジナルはどんなサウンドなのか?楽しみです。

takeotさん,こんにちは。

私がNYCで見たのは8人Yesです。あれはあれで面白かったですが,技量からしてTony Kayeにはきつかったんではないですかねぇ,なんて思ってます。

それにしても「狂気」のUKオリジナル盤って無茶苦茶高くなかったですか?

今晩は!値段ですが、3300円でした
どこまでのオリジナルか?ちょっと心配です

takeotさん,こんばんは。

1stプレスとかですと,市場では無茶苦茶な値段がついていることもあるようですが,英国盤には英国盤独特のよさがあるように思えますね。LP時代は皆さん,英国盤(特にロック系)は音がいいとかおっしゃってましたね。まぁ,私のところの装置ではわからないでしょうが...。

また,改めてご感想をお聞かせ下さい。

はじめまして。jamkenといいます。フロイドファンの私ですが、このAORという着眼点は初めてでした。私は狂気や炎を愛するファンでありまして、原子やウォールなんかはあまり聞いていませんでした。このAORという着眼点でその理由がなんとなく気がつかされたようなくがしました。またお邪魔させてください。

jamkenさん,はじめまして。ようこそお越し下さいました。

記事にも書きましたが,主題だけ見れば「何~っ!」という反応も覚悟せざるを得ないものでした。しかし,決して悪い意味で書いているのではないことは皆さんにもお分かり頂けると思っています。また,私が星★★★★★をつけることは稀なことなもので,Pink Floydへの評価は高いわけです。

貴ブログへもお邪魔致しましたが,jamkenさんも相当幅広いですね。ご同慶の至りということで,今後ともよろしくお願い申し上げます。

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