David Sanbornのソウルごころ
"Only Everything" David Sanborn(Decca)
私は以前は結構David Sanbornに入れ込んでいたものだが,最近はR&B指向が強くなるとともに,彼もだいぶ枯れた感覚が強くなってきて,あまりアルバムも買わなくなっていたのだが,今回はDeFrancescoのオルガンにGaddのドラムスという編成で,極めてアーシーな音がしそうなので,久々のSanborn盤購入となった。
そもそもこのアルバムは,Ray Chales及びHank Crawford,David "Fathead" Newmanへのオマージュであるからソウルフルなのは当たり前であるが,一時期のスタイリッシュなSanbornを想像すると,随分とイメージは異なっている。現在のSanbornのファン層は昔と変わらないのか,あるいは新たなファン層を開拓しているのかはわからないが,私はソウル・ミュージックも好きなのでこういうのもOKである。若干,録音のせいかアルトがキンキン響くような感覚もあって,本来ならもう少し泥臭いミキシングでもいいのではないかと思うが,それでもフレージングもサウンドも一発でSanbornとわかるのは,やはりこの人のスタイリストぶりを実証しているということにはなろう。とにかく,全編に渡ってここまでソウルフルなSanbornというのは,私の記憶にはない。
一方で不満もないわけではない。せっかくSteve Gaddが全編で叩いているのだから,彼のドラミングを活かしたスリリングな展開があってもいいと思うし,Joey DeFrancescoのオルガンにはもう少し黒さを感じさせて欲しいとも思う。そんな中で,そうしたサウンドを一発でブルージーな世界に引き込むJoss Stoneのヴォーカルは大したものだといいたい。とてもまだ22歳とは思えぬ本物のソウルを感じさせるシンガーである。ということで,ベスト・トラックは彼女が参加した"Let the Good Times Roll"である。もう一人のゲストであるJames Taylorは私にはミスキャストのように思える。もともとこの人は私は好きだが,ここで演奏されるようなR&Bやソウル的な音楽とはアンマッチだろう。
ということで,評価は微妙であるが,ちょいと甘めの星★★★☆ぐらいにしておこう。でも私にとってのSanborn最高作は今も昔も"Straight to the Heart"であることには変わりはない(同作に関する記事はこちら)。
しかし,この編成,サックスはテナーとアルトの違いはあるが,こやぎ@でかいほうさんの放し飼いトリオと一緒ではないか。それにしては全然サウンドがちゃいますなぁ(笑)。
Personnel: David Sanborn(as), Joey DeFrancesco(org), Steve Gadd(ds), Bob Malach(ts), Frank Baslie(bs), Tony Kadleck(tp), Mike Davis(b-tb), Joss Stone(vo), James Taylor(vo), Gil Goldstein(arr)


































































































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