謹賀新年(2010)と今年の抱負,その他
皆さん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
このブログも4年目に突入。今年も相変わらずの駄文を垂れ流すことになると思いますが,よろしくお付き合いのほどお願い致します。
ご挨拶モードはここまでとして...
今年も新譜に旧譜にと,さまざまな音楽を聞いていくことになるだろうが,今年はこれまでよりも若干ながらも温故知新モードを強化したいと思う。もちろん,新譜を聞くのは楽しみではあるが,旧譜の中には買ってもちゃんと聞いていないものもあれば,昔は愛聴していても,ずっと聞けていないものもある。今年はそういうアルバムにも光を当てることにも力を入れたいと思う。そうは言いつつも,やはり新譜の魅力には抗いきれず,今年もいろいろ買ってしまうんだろうなぁとは思うが...。
ということで,今年の一発目はEric Dolphyである。Dolphyと言えば,"Five Spot","Out to Lunch","Last Date"というのが相場(私はこれに"Far Cry"を加えた四本柱)だが,"Last Date"はだいぶ前にこのブログで取り上げたことがある(記事はこちら)ので,今回は"Five Spot"である。ここに収められた演奏は激烈という表現しか思い当たらない。特にDolphyがそうだ。余談ではあるが,後にTerence BlanchardとDonald Harrisonがこのアルバムのリズム・セクションをそのまま使って,このアルバムの再演を試みたというのも懐かしい。
このライブに参加したバンドのメンバーは,ジャズ界でも比較的尖ったメンツということになるだろうが,その中でもDolphyの突出ぶりが凄いのである。この当時であれば,「一体何なんだ,これは...」という反応となったに違いない異能の人ぶりだ。Booker Littleなんて,このアルバムに参加しているだけで,やや先鋭的なミュージシャンと思われている節があるようにも思えるが,ここでの演奏を聞けば,極めて真っ当かつコンベンショナルなミュージシャンであることが,Dolphyとの比較においても成り立ってしまうではないか。リズム・セクションにしても同様である。それほどここでのDolphyは強烈である。
ということで,このアルバムはVol.1でもVol.2でも楽しめる傑作ではあるが,私としてはVol.1の方を高く評価したいと思う。バスクラを吹く"Bee Vamp"なんて悶絶間違いなしである。バスクラでもアルトでもフルートでも,とにかくDolphyの切れ味は最高である。これぞ名刀。とにもかくにもこれはDolphyが残した遺産として,これからもちゃんと聞いていきたいアルバムである。評価としてはVol.1が星★★★★★でVol.2が星★★★★☆って感じか。
それにしても何とも雰囲気のあるジャケット写真である。ジャズの雰囲気をこれほど感じさせてくれるのはなかなかない。久しぶりにDolphyを聞いて,ColtraneとのVanguard Live完全盤が聞きたくなってしまった。あれも凄いからなぁ。
Recorded Live at the Five Spot on July 16, 1961
Personnel: Eric Dolphy(as, b-cl, fl), Booker Little(tp), Mal Waldron(p), Richard Davis(b), Ed Blackwell(ds)
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コメント
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あけましておめでとうございます。EVAです。
今日のドルフィーはLPだと4枚組のようですね。私は1.のみ持っています。
後は"Out to Lunch","Last Date"の2枚もありますが、聴いたのが2年位前ですから、今聴くとどうかな、前は少し難しい感じでした。
今年も宜しくお願いします。
投稿: EVA | 2010年1月 1日 (金) 07時51分
EVAさん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
Dolphyは若干敷居が高いと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。特に"Out to Lunch"はそうだと思いますが,是非またお聞きになってみて下さい。前と違った感覚をお持ちになるかもしれませんし,やはりこの人は素晴らしいです。
"Last Date"のフルートによる"You Don't Know What Love Is"の演奏なんて鳥肌が立つほど美しいですし。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年1月 1日 (金) 08時54分
おめでとうございます!
ジョニのCD30日の夕方に届きました!昨日から聞き出しておりますが、彼女の声も若々しくて素晴らしいですね!やっと手に入った分嬉しさも倍増しました
ことしも音楽、映画の紹介楽しみにしております
よろしくお願い致します!
投稿: takeot | 2010年1月 1日 (金) 09時38分
takeotさん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
あのCD,最近某ショップで販売していましたが,\4,180ってのはどうなのよって感じでした。もちろん,そこのショップだからその値段であって,別のショップだったらもっと無茶な価格をつけていただろうなぁと思っています。
いずれにしても,本当のファンなら現地から自力で取り寄せるのが正しい姿だと思います。そちらもおめでとうございます。是非,その音源で穏やかな気分でお正月をお過ごし下さい。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年1月 1日 (金) 09時49分
こんにちは!4180円ですか!ビックリですね!1500円も儲けるの?と言う感じですね!
苦労して手に入れて本当に良かったです!
投稿: takeot | 2010年1月 1日 (金) 14時37分
takeotさん,こんばんは。CDショップも在庫を抱えなければならないとすれば,多少のマージンは仕方ないでしょうが,やはりこれは安いとは言えないですよね。
まぁ,でもこのショップの名誉のために言うと,このショップは比較的良心的なプライシングの店ですから,これがDUだったら,いくらになっているのか興味深いですね。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年1月 2日 (土) 00時37分
新年一発目にdolphyとは思わず驚きました。私もこのアルバムvol1がよいなと思っていたので嬉しいです。Bee Vampには一票でも二票でも入れちゃいます。
去年はようやくお会い出来ました!今年もMaxでも来られると良いですね。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: | 2010年1月 3日 (日) 22時27分
このコメントはrhodiaさんですかねぇ。念のため確認ですが,いずれにしても本年もよろしくお願いします。
私も新春一発目がDolphyってどうなのよというところはあるのですが,今年のテーマは「温故知新」なので。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年1月 3日 (日) 22時35分
中年音楽狂さん、明けましておめでとうございます。
いつも色々な情報提供ありがとうございます。
コアなファンなので、既に御存知かもしれませんが、Brad Mehldauの新作「Highway Rider」2枚組が3月10日3,570円でワーナーから発売されます。輸入盤が出るかどうかは不明です。
では、今年も宜しくお願い致します!!
投稿: Marty | 2010年1月 6日 (水) 23時18分
Martyさん,こんばんは。本年もよろしくお願いします。
Mehldauの新譜が出るのは知っていたのですが,情報が不足していました。しかし,情報によれば,John Brionがプロデュースしているらしく,ゲストにJoshua Redman,Matt Chamberlainを迎え,かつ室内管弦楽も加わるらしいですよ。期待しちゃいますよね。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年1月 6日 (水) 23時31分
音楽狂様、感激です!!!
今朝、pc開いたら、Jeffさんの記事が載っていました。
まあーーうれしーーーー!
ただ、星3つですか?
私は5つですが、、、間をとりませんか?
友人達も、こちらのブログ観てますので、また、Jeffさんの記事にコメントすると、笑われますので、あえて、関係ないとこで、お礼方々コメント書きます。
また、私のコメントで間接的にご迷惑をかけてもいけないので。
(私、わかりますよね? ひま00)
つい、昨日も、Jeffさんの日本のファン向けのサイトのインタビューの記事を読んで、JLF時代から、現在に至るまでのご努力を知り感動していたところです。
本来なら、守りに入られても良いポジションにいらっしゃるのに、コンテンポラリージャズ、様々なスタイルのジャズを演奏出来る演奏家でいたい、と書かれてました。
私、ブルーノートで一度演奏を観ただけなのですが、CDとは全然違う、コンサートに来た価値、一体感、そしてサイン会でのお人柄、、、丸2年前のことですが、こんなに惹かれる演奏家はいないです。
とにかく、ファンを楽しませる、コンサートに来た人に、来て良かった、と感激してもらう事を一番に考えてみえる。
この精神性に、こういうお人柄だから、多くのミュージシャンにも、支持されて、アルバムに豪華な顔ぶれがそろうのかな?と推測しています。
3月7日Java Jazzで、生で観てみたかったですが、Java Jazzの記事にコンサートの内容が載っていたので、お客さんを満足させる内容だったことが、想像出来ました。
最近、坂本龍馬を観ていると、古き良き日本人の熱き心に触れます。
日本人の礼儀正しさや、相手を思いやる心、たくさんの好きがたくさん見つかります。でも、実際には、心より、マニュアルって日本人が増えました。
そんな中で、Jeffさんを遠くから、見ていると、私も、こうしてみよう、と学ぶ事が多々みつかります。
良いことは、どんどんマネしてみよう!と思いました。
来日して欲しい、と、いろんな人に愛されて、輝いて下さい、といつもいつも願っているので、音楽狂様に感謝です。
投稿: 夏 | 2010年3月23日 (火) 08時15分
夏さん(笑),こんにちは。そんな感謝なんて,滅相もないです。
「本来なら、守りに入っても良いポジションなのに、コンテンポラリージャズ、様々なスタイルのジャズを演奏出来る演奏家でいたい」というのは彼のスタイルからはよくわかると思います。やはり意図的なんですよね。こういうスタイル。立派なものです。
まぁファンの方なら5星というのはよくわかりますが,私はJLFの方が好みということもあり,今回の3.5星としましたが,これって決して悪い評価ではないですよ。4星以上はかなり推薦できるというのが私の中の基準ですが,そこまでは至らないものの,なかなかよいというレベルですから。よって,JLFを4星としたので,そこまではいかないかなぁということでの3.5星ですので,ご了承を。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年3月24日 (水) 11時34分
再び、夏です(汗、笑)。
この作品は、大ヒットしたprivate passionの後、当時、いろんなことがあり、久しぶりに自身の作品を出された、と何かの記事で読んだ記憶があります。
私は、困難を乗り越えてる姿勢を知ると、さらに応援したくなるタイプで、また、rain song、yellowstoneが特に好きなので、お気に入りのアルバムです。
Art Porterがうれしそうに吹いているカーネギーホールのyoutubeは、本当に、うれしそう。NYCの街の様子まで、思い出されます。
最近の作品では、He Had a HatのsurreptitiousはJeffさんの真骨頂だと思います。
あの、スリリングさを、生で見たいといつも思っています。
JLF時代の作品、大好きですが、さらに、新しいアルバムで、アッと言わせる作品を出してくるはず、、、期待出来る部分が、ファンには魅力で、私自身努力を続けよう、と心の原動力になります。
投稿: 夏 | 2010年3月25日 (木) 08時20分
夏さん(笑),こんばんは。返事が遅くなりました。
私は必ずしも,Jeff Lorberの熱心なリスナーではないですが,中古で見掛けるとつい手が止まります。買うか,買わないかはその時の気分と財布と相談ですが(爆)。
しかし,夏さんのようなファンに恵まれて,Jeff Lorberも幸せですよねぇ。私にも絶対期待するミュージシャンはいますが...。だからと言って,自分が努力しようなんてことは考えないのが私の怠惰なところってやつですね(苦笑)。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年3月26日 (金) 20時18分