Wayne Krantz温故知新:Leni SternのアルバムでのWK。
"Closer to the Light" Leni Stern(Enja)
私がこのアルバムを買ったのは随分前のことであるが,その動機は,2曲だけ参加しているDavid Sanbornのソロがカッコよかったからにほかならない。しかし,たまたまWayne Krantzのディスコグラフィをネット上で見ていたら,このアルバムが出ているではないか。う~む,全く認識していなかったとはこのことである。そもそもこのアルバムもずっと聞いていなかったものだが,Krantz参加を知って,奥の方から引っ張り出してきた(簡単に見つかったのは幸いであった)。
Leni SternとWayne Krantzはデュオ・アルバムも作っているぐらいだから,それなりの交流はあっただろうし,そもそも今はKrantzはレギュラーをやめてしまったとは言え,ずっとNYCの55Barに出演していたから,そこでLeniとギグしていても不思議はない。このアルバムも,SanbornとDennis Chambers,Don Aliasを除けば,55Bar人脈だから,やはりそうしたつながりが濃厚ではないだろうか。
演奏はと言えば,Leni Sternの音色やフレーズにはダンナのMike Sternぽさを感じさせるのが微笑ましいが,Wayne Krantzの方はというと,その後の彼の音楽性をあまり感じさせない助演ぶりである。このアルバムでは珍しくもKrantzのアコースティック・ギターが聞けるということもあるが,いずれにしても発展途上という感が強く,現在のような変態的な響きはない。だからと言って,このアルバムが平凡かというと,必ずしもそういうことではなく,Sanbornのソロもあって,久しぶりに聞いても結構楽しめた。
まぁ,私としても,結構簡単にみつかるようなポジションをこのアルバムには与えていたということだから,悪くはないと当初から思っていたのであろう。それでも,今のWayne Krantzを期待して聞くと,当然のことながら肩すかしをくらうことは間違いない。Krantzにはこういう時代もあったのだということを認識できただけでもめっけもの。ということで星★★★☆。
Recorded in December 1989
Personnel: Leni Stern(g), Wayne Krantz(g), Paul Socolow(b), Lincoln Goines(b), Zach Danziger(ds), Dennis Chambers(ds), David Sanborn(as), Don Alias(perc)
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91年ごろ、ドイツでレニスターンのバンドを見たことがあります。ウェインクランツはサイドギター(笑)でした。でもレニスターンよりよっぽどうまいなあと思ったような気がします。ちなみに後のメンバーはサックスがボブマラック(ブレッカー度80%)、ドラムというかパーカッションがドンアライアス、ベースが・・・誰だったかな。もしかするとリンカーンゴーインズだったかもしれません。キーボードは確かいなかった。ちょっと後の菅沼孝三バンド的だ(笑)。
投稿: こやぎ@でかいほう | 2009年12月 9日 (水) 02時05分
こやぎ@でかいほうさん,ディープなコメントありがとうございます。
確かに菅沼孝三バンドみたいな...。Krantzがサイド・ギターってのも笑えますなぁ。
明日のライブ,ご健闘を祈ります。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年12月 9日 (水) 22時12分