Freddie Hubbard対Lee Morgan:暑苦しいのは当然だが...
"The Night of the Cookers: Live at Club La Marchal" Freddie Hubbard (Blue Note)
私はBlue Noteレーベルのフリークではないが,それでもたまに聞くとこのレーベルははずれが少ないし,ジャズのガッツを感じさせてくれる演奏が多くて,やはり名レーベルだと思わせてくれる。それでもって,このアルバムはFreddie HubbardとLee Morganのバトルが聞けるのだから,そりゃ熱く燃える演奏でしょうよと期待したくなるのは当然である。そうした期待からいつか買おうと思いつつ,買いそびれていたものであるが,今回は本作を2枚組のCD中古盤でようやくゲットしたものである。2枚組全4曲という長尺ものの集まりであるが,実は2人の共演は2曲のみである。
結果的に言うと,これはあくまでもHubbardのグループにMorganが参加したものであるが,演奏は荒っぽいというか,かなり雑である。もちろん,このご両人であるから,燃えるようなソロを展開して,聴衆も湧かせているが,冷静にCDで聞いている私には,ちょっとこれはねぇ...という感じなのである。もちろん,こういうセッティングであるから,聴衆を煽るような演奏を当初からやっていこうという思いもあろうが,こちらはそれを聞いてどんどん冷めていく感覚を覚えてしまった。バトルを盛り上げるため,バックは延々と同じリズムを繰り返しているが,それもどうなのよと思わせる原因かもしれない。
私としては,実はこのアルバムで,これはいいんじゃないと思ったのが,2人が共演していない2曲だというのも皮肉ではないか。即ちMorganだけで吹く"Walkin'"とHubbardだけで吹く"Jodo"である。2人が一緒に吹くとお祭り的というか,どうも節度に乏しい感じがしてしまうのだ。まぁ,そんな聴き方をしないで,会場の聴衆になったつもりで楽しめばいいじゃないかという声もあろうが,それでも私にはやや受け入れにくい作品となっている。
そんな中で,ソロを吹きだすとかなりいけているのがJames Spauldingである。Spauldingってかなり過小評価されているとは思うが,この演奏を聞けば,かなり実力はあったはずだと認識できる。Spauldingもかなり熱いし,そこにコンガまで入ってくるので,更に暑苦しい感覚もありである。まぁ,でもそれがBlue Noteの一部の特長かもしれないが,総体的に言えば評価としては星★★★ってところだろう。
尚,私が購入したのはRVGリマスター盤だが,聞いている限り,結構音揺れがあるように感じられるのはマスター・テープに起因するものだろうか?それとも私の装置がおかしいのか?
Recorded Live at the Club La Marchal, Brooklyn, NY on April 9 & 10, 1965
Personnel: Freddie Hubbard (tp), Lee Morgan(tp), James Spaulding (as, fl), Harold Mabern
(p), Larry Ridley (b), Pete La Roca(ds), Big Black
(congas);
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