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2009年12月27日 (日)

予想よりはるかによかったBobby Watson参加作

At_ease "At Ease" Benjamin Koppel & Bobby Watson(Cowbell)

私はBobby Watsonが結構好きである。彼のリーダー・アルバムにはあんまり面白いものがないのは厳然たる事実だが,ライブでこの人を見ると,プレイヤー,ソロイストとしての実力はあまりに素晴らしく,どうしても燃えてしまうのである。今は昔の話になるが,1991年のJVCジャズ・フェスティバルで見たときのBobby Watsonはそれこそ最高だったと言ってよい。ほかのソロイストを完全になぎ倒していたものなぁ。

そんなBobby WatsonがBenjamin Koppelと発表した双頭リーダー作が本作であるが,曲は全てKoppelのオリジナルだから,Watsonは客演と考えるのが妥当である。よって,実は買う前はお気楽セッション・アルバムか?という危惧があったのも事実である。しかし,ピアノはKenny Wernerだし,ドラムスはAlex Rielだからこれは意外にいけるかもという判断のもと購入に至った。

それでもって聞いてみたら,これがかなりいけているではないか。これは決してお気楽セッション・アルバムではないし,単なるアルト・バトルのアルバムでもない。ちゃんとアルバムの曲の構成もメリハリがきいているし,いかにもバトルでございますっていう感じもなく,ちゃんと作られているというところがまず嬉しい。その上で,KoppelとWatsonの勝負ということになれば,やはりフレージングにはWatsonに一日の長ありである。やはりこの人はうまいのである。

私にとってはこのアルバムはWatsonのソロを聞いているだけでも楽しいが,更にその魅力を増幅させたのがKenny Wernerのピアノである。Wernerは地味なピアニストと言ってもいいだろうが,この人が入っていると,アルバムに締りがなくなることはないと言ってもいいぐらい,平均点の高い演奏を繰り広げる人である。リーダーとしての派手さはないとしても,優れたバイ・プレイヤーである。Kenny Wernerと言えば,あのTom Harrellとの"Sail Away"も最高だったしなぁ。

ということで,メンツにも恵まれたこともあり,このアルバムはジャケットのシャビーな雰囲気からは想像できないぐらいの佳作になっていたのはある意味で想定外だったが,私にとっては嬉しい誤算であった。星★★★★。

Personnel: Benjamin Koppel(as), Bobby Watson(as), Kenny Werner(p), Pierre Boussaguet(b), Alex Riel(ds)

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