2009年を回顧する(その2):映画編
今年は出張中の機内でも結構映画を見たし,劇場にも私にしては結構足を運んだ方だろうと思う。なんだかんだでトータルで40本ぐらい見た勘定になるが,特に劇場で見たものにいいものが多かったという感覚が残っている。特に今年の前半は「グラン・トリノ」と「ミルク」に心を揺さぶられてしまった。エンタテインメントという観点では007の新作もなかなかよかったし,「ターミネーター4」もそれなりに楽しめたが,上記2本のような深い感動はエンタテインメント系の映画には期待できないのは当然である。また,西川美和の新作「ディア・ドクター」も相変わらずよく出来ていて,彼女に対する期待はますます高まってしまった私である。よって,私の中でのベスト3本は「グラン・
トリノ」,「ミルク」,「ディア・ドクター」ということになるが,更に絞り込むなら,感動度ということで「グラン・トリノ」ってことになるかもしれない。でもやはりどれも捨てがたい魅力を持った映画である。
この3本を見て頂けばおわかりになるとおり,これらは現代の映画界を席巻するCGとは全て無縁の映画であるとともに,しっかりとしたシナリオに支えられた映画である。結局,私はテクノロジーではなく,映画的な感動を求めている人間なのだということになるのだろうが,私がこのブログで,CG依存の映画を酷評するのもそうした理由によるものである。CGを乱用した一見派手な映画は,その場限りということであれば楽しめるものであっても,結局は後に何も残らないものばかりである。私が最近の007を評価するのは,生身のアクションを重視しているからだということとも共通する要素であるが,世界の映画人はCGの利用は「最小限」にとどめるぐらいの矜持を持って欲しいものである。使うなというのではない。使い過ぎがよくないというだけである。ということで,いつもいつも苦言を呈することになっているが,CGを使うとしても,うまい使い方ってのがあるはずだとだけ言っておきたい。
いずれにしても,映画はやはり劇場で見るのが正しい姿ということで,来年もできるだけ劇場に足を運びたいと思う。
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コメント
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おはようございます。EVAです。
私は基本的に映画は見ないのですが、映像も音楽も全く同じで「結局は後に何も残らないものばかり」では困りますよね。
あまねく世の皆さんの支持を得る必要はないけれど、私としては心に残る作品が一つでも多くなるようにこれからもペースは落ちても見付けて行きたいと思っています。
今日は昔の名前で出ておられたアーティストをアップしますので宜しかったらお立ち寄り下さい。(爆)
投稿: EVA | 2009年12月29日 (火) 07時11分
「グラン・トリノ」は確かにイーストウッドが描きたかった事は良く解ります。確かに印象に残る映画であると思いますね。ただし、私はイーストウッドはやっぱりかっての西部劇の大御所ジョン・ウェインが好きだったのかと、改めてこの映画で解りました。この映画のポイントの一つは、ある意味では男の死に場所を求めたというところにあるのかも知れません。と、言う意味では、もちろん話は異なりますが、ジョン・ウェインの「ラスト・シューティスト」と共通しているからです。癌に冒された男が、少年に自分の存在を残して行く、そんな世界が共通していると思うのですね。
投稿: *floyd | 2009年12月30日 (水) 00時33分
EVAさん,こんにちは。私の記事がどの程度参考になるかはわかりませんが,審美眼を磨いて,少しでもお役に立てるように頑張ります。
引き続きよろしくお願いします。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年12月30日 (水) 13時41分
*floydさん,お久しぶりです。
「ラスト・シューティスト」との共通性という観点では,私はこの映画はJohn Wayneへのオマージュというよりも,同作の監督であるDon Siegelへの捧げもののような気がします。なんてたってEastwoodの師匠ですから。
いずれにしても新鮮な視点をありがとうございます。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年12月30日 (水) 13時46分