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2009年11月21日 (土)

ついに出た!Towner/Fresu デュオ

Chiaroscuro "Chiaroscuro" Ralph Towner / Paolo Fresu(ECM)

発売が告知されてから,このアルバムを一日千秋の思いで待ったと言っては大袈裟だが,私の中では異常なまでに期待値が膨らんでいたアルバムである。それが発売日が若干遅れたものの,到着してそれだけで嬉しくなってしまった私である。

では肝腎の中身はどうか。これがわかる人にはわかってもらえると思うのだが,「あの頃のECM」的な色彩が極めて濃厚で,私はますます嬉しくなってしまったのである。いまや大レーベルとなったECMではあるが,70年代にはManfred Eicherのプロデュースのもと,様々なミュージシャンの組み合わせが行われながらも,一貫したサウンドを生み出していたのがECMレーベルの特長と言えると私は思っている。例えば,Art LandeとJan Garbarekのデュオとか,Gismonti~Haden~Garbarek,あるいはCoDoNaもそうだろう。もちろん,同じような志や指向を持つミュージシャンだからこそ成り立ったとしても,それも含めて所謂ECMサウンドと呼ばれていたということは否定できない事実だろう。今回のこのデュオはそうした組み合わせの妙を久々に強烈に感じさせる作品だと私は言いたいのである。これもECM40周年の成せる業だろうが,それにしてもこれはよい。

演奏は淡々としていると言えば淡々としているし,リズミックな盛り上がりも,編成上想定できないから,コンベンショナルな4ビートを求めるリスナーには到底お薦めできない。しかし,TownerとFresuというリリカルな中にも,青白く燃え上がる炎のようなものを感じさせる両者の特性をこれほど端的に捉えたアルバムもないだろう。ある意味では,私が期待する通りのサウンドであり,そこに驚きはない。だが,私はこの演奏を聞いていて,「そうなんだ,うん,うん」という感じで,何度も大きくうなずいてしまったのである。周りで家人が見ていたら,バカじゃないのって反応しか返ってこないだろうが,私自らの反応は素直なものであった。予定調和だろうがなんだろうが,よいものはよい。

本作は基本はTownerあるいはTowner/Fresuのオリジナルで占められている中で,唯一のカバー曲が"Blue in Green"というのも出来過ぎって気がしないでもないが,その美しい演奏にもビビッドに反応した私であった。いずれにしても,私のようなファンの期待に応えるだけでなく,これから年末にかけて何度も聞きたくなるようなアルバム。待っててよかった。ノスタルジックな感覚を喚起してくれた効果も含めて星★★★★★。いや~,このコンビ,予想通りではあるが,ナイスな組み合わせであった。

Recorded in October, 2008

Personnel: Ralph Towner(g), Paolo Fresu(tp, fl-h)

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コメント

おはようございます。EVAです。
出ました五つ星!!
先程カートに入れました。
ECMは私も多少は持っていますのでサウンドポリシーは理解しています。
激しいのも好きだけれど、こう言った静謐な感じも好きです。
纏めて発注する予定です。

EVAさん,こんにちは。ちょっと5つ星は甘いかなぁとも思いつつ,私の趣味にこれほど合致した音楽はないということで...。

ご期待を裏切らなければいいのですが。しかし,記事にも書きましたが,このコンビ相性抜群です。

これ、早くても金曜日にしか、、来ない。
って、ことは、聴くには来週です。。
すごく、楽しみ。カートの新譜も一緒です。

思いっきり、遊んで来ようと思ったのですが、風邪で早帰りしちゃいました。。
今回はお会いできずに残念でしたけど、まぁ、またいつか。。
いつかは、、
いつだろう。。

しばらく、地元から出ないつもりです。はい。

すずっくさん,おはようございます。

待ってるかいがあるアルバムですよ。お楽しみに。確かに今回はお会いできずに残念でした。次回,次回...。

今晩は。EVAです。このCD、先日届いて今2回目を聴いています。
癒されますね。清澄感あって、かつ楽器の味がストレートに味わえて最高です。
私の好きなサウンドです。私のブログでは星の評価はしていませんが5つです。(爆)
アップは来月下旬です。
良いアルバムの紹介有難うございました。

EVAさん,こんばんは。

お気に召したようで何よりでした。まぁ,TownerとFresuなら悪いわけはないって気もしますが。記事でのご紹介を楽しみにお待ちしております。

やっと私の方にもこのアルバム届きました。いや~、いいですねえ。静かな場面が基調に、パオロ・フレスの研ぎ澄まされたTp(Flh)の音色やフレーズのいいこと。そして少し緊張感のある場面もあること。私もこのアルバムを何度も聴いてしまいそうです。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

まさにECMファンのためにあるようなアルバムと言っても過言ではないような,何とも素晴らしいアルバムとなりました。私の中では,今年一番のヒットかもしれません。

こちらからもTBさせて頂きます。

トラバありがとうございました。
正式に取り上げるの、年内目指す、ってことで、とりあえず、、トラバいたしました。

すんません、いろいろ出遅れてて。

すずっくさん,こんばんは。お早い記事のアップをお待ちしてます~。

まぁでも,マイペースでやって下さいね。

>お早い記事のアップをお待ちしてます~。

って、ことで、音狂閣下アップしました。
☆五つにわたくし的には文句はありませんが。。
うむ。。

トラバしました。
このアルバムからは想像もつかない、、広島の夜をご堪能中だとは思いますけどね♪

すずっくさん、こんばんは。広島では飲み過ぎました。靴を履いたまま寝たのは久しぶりのことです。あぁ~、情けなや。

それはさておき、このアルバムは素晴らしいです。文句なしです。たまりませんわ。

たまりません。
つうことで、本編にトラバください。(爆)

>靴を履いたまま寝たのは久しぶり

我がダーリンが昨日久々これに近い状況でした。
彼は6時過ぎに起きるのですが、不機嫌そうだったな。
つうか、健康に気をつけてる人なんだけど、泥酔するとそのたがが外れ必ず、インスタントラーメン食べたがるんです。
以前は、辞めさせようとしてましたが、何を言っても酔ってる時はだめなんですねぇ。
買い置きしないと、怒るんだなぁ。(爆)

で、、朝、、非常なる後悔の嵐になってるの。

すずっくさん、TB入れ直しました。ご確認下さい。取り急ぎ。

落ち穂拾い組なので、今更の入手です(恥)
多分、初Ralph Townerで初Paolo Fresuなのですが、まさにECMってな感じでした。
研ぎ澄まされたって言葉がよく似合うアルバムだと思います。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。

私も「何を今さら」というのは沢山ありますし,全部をカバーするのは不可能です。でもこのアルバムを入手して下さったことが嬉しいですねぇ。

私は本当にTownerが好きですので,是非ほかのアルバムもお聞きになってみて頂ければ幸甚です。

お久しぶりです。2月23日にBarcelonaのL'Auditoriで行われた二人のコンサートへ行って来ました。Ralph Townerを初めてライブで聴きました。Fresuも初めてです。ECMシリーズと銘打たれたコンサートの一環なのですが、まさにECMといった感じです。二人とも座って演奏しておりましたし、観客も口笛ピーピーもなし。コンサートも1時間半弱で終わりました。Ralphは11月にMadridで行われたMTGのチケットを買っていたにも拘らず仕事で行けなかったので、万感の思いで聞きました。で、感想ですが、正直CDでは余りしっくりこなかったのに、ライブは素晴らしいの一語に尽きます。Ralphのギターは、二日前に見たPat Methenyのアコースティック・ソロが、まるで中学生の文化祭演奏の様に思えてしまう、こんなに上手い人がいるのかって感じです。Paoloのトランペット・フリューゲルホルンもCDで聞くよりも5倍ぐらい素晴らしかったですね。

カビゴンさん,これは羨ましいです。私はTownerは2回見ていますが,Fresuは見たことがないんです。しかも彼らのアルバムは私の中では去年のベストですからねぇ。

こういうコメントを頂くと,欧州に住みたくなります。MGTもライブやったんですね。それもいいなぁとは思いますが,Towner/Fresuの方が私としてははるかに羨ましいです。

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