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2009年8月25日 (火)

メンツ買いのDavid Binney

David_binney"Third Occasion" David Binney(Mythology)

多分,私はこの人の音楽は聞いたことがないはずなのだが,なぜか名前には既視感があった。それはBinneyがNYCの55Barにほぼレギュラーのような形で出演しているため,55Barのスケジュールで彼の名前を見たからかもしれない。

そんな私がこのアルバムを購入する気になったのはバックのメンツによるところが大きい。なんてたってピアノはTaborn,ベースはColley,ドラムスはBladeである。リーダーには悪いがやはりこれは気にならざるをえまい。このアルバム,今年の前半に発売されたものらしいが,買おうか買うまいか悩んだ挙句結局購入したが,時間は若干経過しても,新譜扱いとさせて頂く。

私にしてみれば,このバックでBinneyがどういう演奏をするかというところが注目されるのであるが,飛び出してきたのはかなりモーダルなサウンドである。本当に,こういう音楽を「あの」55Barでやっているのかと思うと不思議な気もする。55Barは私にとってはMike SternやWayne Krantzを見る(聴く)ための場所で,そこでサックスが鳴っているのは,NYC在住中に前を通り過ぎた時ですらなかったと記憶している。おそらく55Barに出演するときは,若干違うフォーマットで演奏しているんだろうなぁなどと想像しながらも,思わず「へぇ~」と思ってしまった私である。

このアルバムはクァルテットを中心に,そこにブラスのアンサンブルが加わるというものだが,そうした演奏は悪くないとしても,Binneyのアルトはどこかで聞いたことがあるような感じがしてならないのである。それが誰のサウンドなのかはどうしても思い出せないのだが,いずれにしてもBinneyの明確な個性というには至っていないように感じてしまう。しかし,これだけのメンツであるから,演奏の緊張感は保たれているので,アルバムとしてはちゃんと聞けてしまうところは大したものである。Binneyのサイトで確認してみたら,55BarではRhodesをバックにしているようだから,ここでTabornにRhodesを弾かせたらどうなっていたかと想像したくなるのは私だけではあるまい。最近ではTaborn=Chris Potter UndergroundでRhodesを弾いているTabornと思ってしまう好き者は結構いるはずだ。しかし,ここでの演奏はピアノで正解かなとも思わせるのは事実だが。

いずれにしても,このアルバムは悪くない。ブラスの存在意義は何なんだと文句を付けることも可能なので,この程度の使い方ならクァルテットでやればいいのにとも思うし,もう少し高揚感のある曲があってもいいが,演奏そのものは今のNYCの断面を切り取ったものになっているのだろうと想像させる音楽である。でもあんまり売れないだろうなぁ。星★★★☆。

Recorded on August 4 & 5, 2008

Personnel: David Binney(as), Craig Taborn(p), Scott Colley(b), Brian Blade(ds), Ambrose Akinmusire(tp), Brad Mason(tp, fl-h), Corey King(tb), Andy Hunter(tb)

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