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2009年7月16日 (木)

Max Ionata:熱いだけではないラテン系

Max_ionata "Inspiration" Max Ionata(Albore Jazz)

ブログのお知り合いにして,イタリア・ジャズの達人,rhodiaさん激賞のアルバムである。私は前作"Tenor Legacy"は買ったものの,いつまで経っても記事にアップできていないことを反省し,今回は早めに記事にすることとした。

私はイタリア・ジャズ,特にHigh Five系の音楽を聞くと,バカの一つ覚えのように「ラテン系は熱いのだ」と繰り返してきたが,このアルバムも冒頭の"Two Friends"を聞いているとやっぱりそんな感じかなぁとも思ったのだが,私がこのアルバムを聞いていた環境のせいもあるかもしれないが(いつも通り通勤電車の中である),聞きすすむにつれ,どうもこれは熱いだけではないように感じさせるアルバムとなっていた。これはIonataのサウンドにもよる部分があるようにも思える一方,アルバムでさまざまなリズム・フィギュアが聞かれることにもよるような気がした。

全編を通してIonataのフレージングは魅力的であり,この人の実力は十分に捉えられていると思うし,急速調でもミディアムでも全く破綻がなく,イタリア・ジャズ界のレベルの高さはやはり間違いないのだと思わされる。その一方でBossoのラッパは力み過ぎちゃうかと思わせるもので,私はBossoなしでもよかったのではないかなんて思ってしまった(概して私はBossoに対する評価が辛い)。それほどIonataが魅力的に響いているのである。この人の魅力はテナーのトーンだと思うが,それはきっとワン・ホーンのアルバムにおいて更に魅力的に響くはずだ。

もちろん,このアルバム,相応に楽しめるものであったが,前述のとおり,様々なリズムが使われていて,やや捉えどころがなくなったのは残念である。私としてはじっくり4ビートを中心にIonataの魅力を追求してもよかったのでは思う。これも彼の様々な側面を捉えるためには,ある程度必要なことだったということはあれども,やや欲張ったように聞こえてしまうのである。

それでも,これまではMax Ionataって誰?のような反応がほとんどだったであろうこの人のリーダー作が日本のレーベルから出るということ自体は驚くべきでありながらも喜ぶべきであり,この快挙を実現したAlbore Jazzは評価するに値するレーベルと言える。ということで,若干アンビバレントな部分も残る評価となったが,Ionataの今後の活躍に期待して星★★★★。でも正直言うとアルバムとしては"Tenor Legacy"の方が好きかなぁ。早く記事にせねば。

Recorded on March 3-5, 2009

Personnel: Max Ionata(ts), Fabrizio Bosso(tp), Luca Mannutza(p), Nicola Muresu(b), Nicola Angelucci(ds), Bruno Marcuzzi (per), Gegè Telesforo (vo, scat on 5)

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コメント

あーよかった。辛口中年狂さんにもお気に召していただけた!
TBいたします☆

rhodiaさん,こんにちは。プロデュースには疑問の部分もありますが,Max Ionataには文句はありませんでしたね。日本ではこのアルバムがどういう風に受け入れられて,次がどうなるかが今後の彼を占う意味では重要でしょうね。

rhodiaさんのバックアップがあれば,大丈夫って気もしますが。こちらからもTBさせて頂きます。

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
イオナータとか、ボッソとか、イタリアの真摯なJAZZ演奏と反応を聞いていると(大サポーターもいるので)たいしたものですね。
このパイプでもっと楽しくイタリアJAZZを楽しめるかも知れません。
ミンガスのトリビュートに参加したときのソロに驚きました。

monakaさん、こんにちは。返信が遅くなり申し訳ありません。

このアルバム、楽しめますよね。私は両手を挙げて絶賛とまではいきませんが、こういう人がちゃんと紹介されることの意義は認めるべきと思いました。

日本のレーベルも捨てたものではないですね。

中年音楽狂さん、こんばんわ。

お久しぶりです。中年音楽狂さんが石垣島で優雅な休暇をとっている間に、私は腰痛と片頭痛と百日咳の三重苦でのたうちまわっておりました。

やっと一昨日あたりから調子が戻ってきました。でもまだ腰が痛いです。こうしてPCの前に座っているのも苦痛です。

石垣ですか~。いいな~。僕も石垣好きです。海で遊んだあとのビールとソーキそばはたまりませんね。

というわけで、そちらからはTBダメみたいですが、ダメもとでこちらからもTBしてみます。

crissさん、こんばんは。お具合いかがでしょうか?心配しておりました。

私だけお気楽モードで申し訳ないですが、これも明日限りです。でも帰りたくないな〜。移住したいです。戻りましたらまた改めて。

お盆ですねぇ・・。
お墓参りに行ってきましたァ。

暫く、ちゃんと音楽聴けそうに無いので、とりあえず、、これ、トラバしちゃいますね。

すずっくさん,こんにちは。TBありがとうございます。

私も出勤って訳ではなく,きっちりお盆は休んで帰省しております。こういう時節柄親戚づきあいも多いので,なかなか音楽は聞けませんよねぇ。私は慌てて書きだめした記事で乗り切っているって感じですね。

このアルバムでイオナータを知ってからイタリアジャズの底の深さを思いました。
おっしゃる通り、盛りだくさん。だからワンホーンでのアルバムも聴いてみたいですね。
私はイタリアジャズのきっかけはボッソ。だからどうしても肩入れしちゃいます~。TBします。

madameさん,こんばんは。TBありがとうございます。

私もHigh FiveでのBossoはOKなんですが,これに関しては...というところがありました。しかし,イタリア・ジャズは大したものだと思います。根暗な私でもフィットしてしまうRavaやFresuもいますから。本当に奥が深く人材も豊富です。

やっと、通常生活です。
でも、暫く、やばい感じでギリギリが続きます。それも、これも。。。(爆)

って、ことで、やっとブログ更新。
あちらのお返事も遅くなってすみませんでした。

>根暗な私でもフィットしてしまうRavaやFresu

え!!フレスも根暗組ですかぁ。。
って、フレス聴きたくなってきた。。

すずっくさん,おはようございます。「ギリギリ」の中での生活も,緊張感があってよろしいかと(笑)。

ところで,「え!!フレスも根暗組ですかぁ。。」ではなく,Fresuは根暗な私が聞いてもOKというぐらい素晴らしいと思えると解釈して下さい。

FresuもRavaも全部がいいとは思いません(というか,間違いなく失敗と思える作品もありますよね)が,概して私の評価は高い場合が多いですからねぇ。きっと私の嗜好に合っているんだと思います。Bossoはそうではないというだけですね。

おはようございます。
あまりにわたくしごときが、、生意気なので、、今まで公で口にしたことはないと思うのですが、、
ハイテクニックでストレートな感情表現で、、イタリアンハードバップのど真ん中を快進撃しているボッソです。
でも、ボッソって、これからが本当に勝負どころな気がするんですが。。
当然、ご本人も次に自分が求められてるものもわかってるし、今までのファンがその辺をどうとらえるかもわかってるでしょうねぇ。。

フレスはなんで来日しないのでしょうねぇ。。
ひこうき嫌いなのかな。
今朝の一番はソウルステーションでした。(笑)

すずっくさん,コメントどうも。

私もHigh FiveのBossoは好きですよ。全面的に否定しているわけではありませんので念のため。その特性を活かすならば,相応のセッティングの中でやればいいというのが,私の本音です。

Fresuの生は聞いてみたいですねぇ。Devil Quartetでお願いしたいです。

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