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2009年5月28日 (木)

いいんだけどねぇ...。誰のアルバム?

Paolo_recchia "Introducing Paolo Recchia" (VVJ)

中古盤屋をうろついていて入手したアルバムである。VVJと言えば,High FiveやDoctor 3も吹き込んでいるレーベルだなぁ,しかもワンホーンだし...なんて,一昔前の私なら考えられないような動機で買ったものだ。それにしても人間変われば変わるものである。

イタリア系のアルトと言えば,Stefano Di BattsitaとRosalio Giulianiの二本柱だろうが,そこに割り込んできてもよさそうなアルトである。ライナーを開けばStefano Di Battistaが一文を寄せているが,イタリア語なので何を言っているのかはわからないとしても,やはりその系列だろうと想定させるアルバムである。

それでもって演奏はと言えば,まぁイタリアらしい典型的なハードバップである。リーダーのサックスはサックスで楽しめるのだが,BattistaやGiulianiのような切れ味はないように思える。特にスピード感ではBattistaにはまだ及ばないだろう。でもこのアルバムで一番目立っているのは実はピアノのDado Moroniではないかと思えてしまうのである。McCoy Tyner的とも言えそうなハード・ドライビングな弾きっぷりが心地よく,こいつがいけている。Tom Harrellとやっていたときもこんなんだっただろうかと思ってしまったが,ここまでやられるといかに"Featuring"とは言っても,さすがにやり過ぎではないのかと文句の一つもリーダーから出るとか出ないとか。

まぁ,そうは言いながらもリーダーのオリジナルにスタンダード,モダン・ジャズ・オリジナルを交えるというプログラムの効能もあって楽しく聞けるアルバムではある。ただ,最後がサックスの多重録音による"A Nightingale Sang in Berkeley Square"ってのはいかにものプロダクションだなぁって気もしてちょっと微妙。まるでManhattan Transferの"Mecca for Moderns"のようではないか。プロデューサーには文句の一つも言いたくなるが,まぁそれはPaolo君の責任ではないということで,星★★★☆。研鑽を積むことで,更に優れたアルバムを出すこともできそうだと期待しておこう。

Recorded on March 6, 2007

Personnel: Paolo Recchia(as), Dado Moroni(p), Marco Loddo(b), Nicola Angelucci(ds)

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ジャズ(2009年の記事)」カテゴリの記事

コメント

中年狂さんこんばんはー。
私もこれ聴きました。
Paoloはイタリア(主にローマ)では人気なアーティストで、最近は歳の近いミュージシャン同士でカルテットをしてたりしています。
演奏でつるんでいる新しいメンバーでの新譜も更に期待しているんですが、表現力の面ではバティスタやジュリアーニにはまだまだ及ばないかもしれませんね。確かこのアルバムはcrissさんも前の「雨の日は~」で取り上げていらっしゃった気がします。

rhodiaさん,おはようございます。イタリア・ジャズ通のrhodiaさんにも否定されなくてよかったです~。

しかし,記事にも書きましたが,昔の私ならこのアルバムには絶対手を出していませんが,イタリア・ジャズの深みへと誘ったブログ・メイツの皆さんの影響力恐るべし。

ほとんど最近アメリカン・ジャズを買っていないような気がしてきました。微妙ですが。

中年音楽狂さん、こんにちは。

確かにこの盤はモロニに耳が奪われますね。
今聞き返すとさらにその印象を強めます。

モロニは最近まであまり意識していなかったのですが、ここにきて僕の中ではぐっと評価を高めているピアニストです。

このまえ、モロニの初期の盤、ロンカーターとやった『 Ron Carter Presents Dado Moroni 』( Emercy ) と『 What's New? 』( Splasc(H ) ) を手に入れました。両方ともなかなかの出来で気に入っています。

というわけで今回もめげずにTBさせてもらいます。
文字列によってはTB成功するらいしので、(具体的にはどんな文字列が障害になっているのか不明ですが)トライしてみます。

では、また。

crissさん,今回はTB成功です。一体どうなっているのやら。謎は深まるばかりです。

私はDado MoroniはTom Harrellとのデュオが気に入っていますが,ここでの演奏ぶりはHarrell盤とは全然違うものでしたね。驚きました。

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