John McLaughlinの最新映像を見た
"Live @ Belgrade" John McLaughlin & the 4th Dimension (Mediastars Monaco)
以前このブログでも発売を予告したJohn McLaughlinのライブ映像DVDが発売された。全編エレクトリックで,ギターの弾き倒しである。McLaughlinファンならば必携のDVDである。
映像としては,カメラの切り替えが頻繁過ぎて,例えばソロイストの手許をもっと見たいという欲求の邪魔をされるとか,音声がPCM 2チャンネルだけだとか,文句のつけようはある。特に映像はイライラするぐらいアングルが変わって落ち着かないこと甚だしい。また,Dominique Di Piazzaの前に譜面台が置いてあるのだが,それを避けて撮影するのが筋だろうと言いたくなるような瞬間も多々あるのはいただけない。
しかし,このバンドの映像が見られるだけでもよしとしなければならないのだろう。McLaughlinのギターが炸裂するのは当然(フレーズはいかにもMcLaughlinで,ワンパターンと言えばまさしくその通り)として,Dominique Di Piazzaってこういう風にベースを弾いていたのねぇというのが分かったのが面白かった。私が見る限りは基本的には右手の親指と人差し指で弦をはじいているが,時折,ギターのアルペジオのように中指,薬指も加わるという感じだろうか。この奏法,Dreyfusのモナコでのライブで1曲弾いていたHadrien Feraudも同じような感じだったが,昨今の所謂バカテク・ベーシストはああいう感じなのだろうか?
また,このDVDを見ていて,ドラマーのMark Mondesirの手数の多さとそのタイトなドラミングには目が点になってしまった。それも余裕たっぷりなのである。世の中,凄いミュージシャンってのはまだまだいるんだなぁと思わざるをえないが,この人,McLaughlinにはぴったりのドラマーと言っていいだろう。
まぁここに収められているような映像を104分も見せられたら,思わず胸焼けがしてくるって話もあるが,それでもこのバンドでの来日など期待できないだろうから,やはり映像化されただけでもよしとしなければならないだろう。ちなみに音はブートCDよりはいいが,もう少しベースのバランスを上げてくれると尚よかった。ということで,音源として星★★★★,映像星★★★で,トータル星★★★☆ということにしておこう。
Recorded Live at Dvorana Dom Sindikata, Belgrad on May 16, 2008
Personnel: John McLaughlin(g), Gary Husband(key, perc), Dominique Di Piazza(b), Mark Mondesir(ds)
« 前期Weather Reportの方が私は好きである | トップページ | 映像版Jeff Beckライブは凄かった »
「新譜」カテゴリの記事
- これまた長年ECMを支えてきたBobo Stensonの新作。(2023.03.27)
- Joe Henryの新作が超シブい。(2023.03.26)
- 奇しくもBurt Bacharach追悼作となってしまった”The Songs of Bacharach & Costello”。(2023.03.23)
「ジャズ(2009年の記事)」カテゴリの記事
- 予想よりはるかによかったBobby Watson参加作(2009.12.27)
- 2009年を回顧する(最終回):ジャズ編(2009.12.31)
- まだあるWayne Krantz参加作:でもゆるいFive Elementsみたいだ。(2009.12.26)
- Freddie Hubbard対Lee Morgan:暑苦しいのは当然だが...(2009.12.15)
- "The Hard Fusion"って感じである(2009.12.11)
« 前期Weather Reportの方が私は好きである | トップページ | 映像版Jeff Beckライブは凄かった »
コメント