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2009年2月16日 (月)

なぜかサキコロ

Saxophone_colossus "Saxophone Colossus" Sonny Rollins(Prestige)

まさしく温故知新である。漫画家,ラズウェル細木は彼の「ときめきJazzタイム」で「今更恥ずかしくて買えないCD」として,このアルバムを取り上げていたように記憶しているが,それほど名盤としての名声(まさしくPrestigeである)を確立してしまったアルバムである。実は私もこのアルバムを店でCDで買うことにはラズウェルのように抵抗があったのだが,今聞いているのは父の遺品のCDである。モーツァルト命だった父は晩年,モダン・ジャズに結構目覚めていたのだが,よくぞこのCDも買っておいてくれたと感謝したくなってしまった。

いつも書いていることだが,新譜聞きにかまけて,こういう昔のアルバムを聞く機会が滅多になくなってしまっている。今回は仕事が間に合わないので,家人が出掛けたタイミングで家で仕事をしたときに,BGMを何にしようかと思っていて,久しぶりに聞いてみることにしたのだが,やはりこれは素晴らしいアルバムであった。

本作でのRollinsがキレまくっていることは言うまでもない。この作品の魅力はRollinsの野太いテナーのサウンドにあることは間違いのない事実である。しかし,本作を全編どこから聞いても素晴らしいアルバムに仕立てるケミストリーを生み出したのは私はMax Roachではないかと思っている。Roachのドラミングはいつもシャープで,多くの名盤を支えてきたが,"Strode Rode"のバッキングなんて思わずぞくぞくしてしまった。こりゃーよい。全編を通してよいと言っても,私にとっては明らかにLPで言えばA面に相当する3曲の方がいいと思っているが,それでもこれはあっという間に一枚を聞きとおしてしまった感覚にさせてくれるところが立派である。こういう作品には襟を正して星★★★★★を改めて謹呈する。

振り返ってみれば,まだ若い頃は小遣いも少なかったし,そんなにたくさんアルバムを買えるわけではなかったから,決して多くはない保有LPを繰り返し聞いていたのだが,このアルバムもそんな一枚に入る。フレージングもかなり記憶に残っていたぐらいだから,それだけよく聞いていたということがわかるが,最近は音楽の聞き方にそうした一生懸命さ,あるいは清貧さがなくなってきているのは反省しなければならない。だからと言って新譜買いが止まるとは思えないが,それでも,こういうアルバムはちゃんとたまに聞くべきだと思ってしまった。

尚,余談だが,最近再発されるこのアルバムのジャケにはかなりクリアにRollinsの顔が見えるようになってきている。しかし,私が初めてこのアルバムをLPで買った頃は真っ黒けで表情なんて読み取れなかったはずなのだが...。でもこの表情が見て取れる方が絶対カッコいいな。

Recorded n June 22, 1956

Personnel: Sonny Rollins(ts), Tommy Flanagan(p), Doug Watkins(b), Max Roach(ds)

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コメント

モダンドラムの開祖ローチの、クオーツ時計の様な正確なドラミングがたまらないですね。
さすがに超名盤だけあって、聴く場面によって名手達の名演がその都度気づかされる。
「恐れ入った」録音ですね。

東信JAZZ研究所さん,こんばんは。

久しぶりに聞いても,興奮させられ,しかも新しい発見があるってところが素晴らしいです。やはり旧譜にもちゃんと耳を傾けねばと思わされてしまいました。

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