またも温故知新:GillespieとParker
"Town Hall, New York City, June 22, 1945" Dizzy Gillespie / Charlie Parker (Uptown)
昨日のRollinsに続いての温故知新である。このアルバムは2005年にリリースされたものだが,タイトルが物語るとおり,1945年6月22日に録音されたものである。昨日取り上げた「サキコロ」がこの録音から11年後の同じ6/22に吹き込まれたことは,何とも言えない偶然の一致であった。
それにしても,本物のビバップの切れ味の凄さを感じさせてくれる演奏ではないか。SPレコーディングの呪縛なく,黄金期のバッパーたちの演奏がたっぷり聞けることに我々は感謝しなければならない。Gillespieも勢いに溢れているが,このParkerの凄さは何なのだろう。「チュニジア」のアルト・ブレイクなんて,もはや神業である。全編で飛ばしまくるGillespieとParkerの音源をよくぞ残しておいてくれたものである。彼らにバラードなんて全く必要ない。
録音が古いため,音は決してよいとは言えないし,"Bebop"の冒頭なんて,ホーンは完全にオフ・マイクで聞こえやしないという欠点もある。しかし,バップ全盛期にどういう演奏が展開されていたかということを思い知らされるという点で,このアルバムはより多くの人が耳にしなければならないと強く感じる。こうした歴史の上に現代のジャズは成り立っているということを考えれば,時にこうして故きを温ねることは凄く重要なことのように思えてくるのである。
ちなみに,1曲目の"Benop"にはテナーのDon Byasが参加しているのは,(遅刻常習犯の)Charlie Parkerが遅れたときのバックアップだと,MCのSymphonie Sidが言っているが,Parkerはちゃんと,と言うよりぎりぎり間に合ったようである。とにかく吹きまくるGillespieとParkerにしばし時の過ぎるのを忘れよう。星★★★★★。
それにしても,この演奏が録音された1945年6月と言えば,戦時中(それも終戦直前)である。海の向こうのNYCではこんな演奏を楽しんでいる人間がいたということを,当時の日本国民は知る由もなかっただろうが,これで戦争に勝てるわけないよなぁ。
Recorded live at Town Hall, NYC on June 22, 1945
Personnel: Dizzy Gillespie(tp), Charlie Parker(as), Don Byas(ts), Al Haig(p), Curly Russell(b), Max Roach(ds), Sidney Cattlett(ds)
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