久々にAkoustic Bandを聞いてみた
"Akoustic Band" Chick Corea(GRP)
このアルバムを聞くのは何年振りだろうか。滅多に耳にすることがないこのアルバムを久しぶりに聞いてみた。Elektric Bandから派生したトリオということで,発売された当時は大変話題になったアルバムである。私は彼らのライブを,9/11で崩落したWorld Trade Center裏のWorld Financial CenterにあるWinter Gardenでのフリー・コンサートで聞いたことがある(当然,その頃はWTCは健在であったが...)が,元来Chick Coreaのファンだった私は,彼らの手数の多さに微苦笑しながらも楽しみながら聞いていた思い出がある。
その手数の多さは,ライブだろうが,アルバムだろうがほとんど変わりなく,飛び出してくる音についても,想像通りというか,何ともソリッドである。いつも私はジャズにはいろいろな要素があるから,いろいろなかたちが存在することは当然だと思っているが,ジャズにリラクゼーションを求める特定のリスナー層がこれを聞いたらどう思うだろうか。Chick Coreaは言わずとしれたジャズ界のビッグ・ネームだから,そういう人たちでさえこのアルバムを手に取ったとしてもそれは全く不思議ではない。しかし,どう考えてもプレイバックされる回数は限定的になるだろうなぁと思わされるアルバムである。
アルバム前半6曲はスタンダード,後半4曲はCoreaのオリジナルという構成はまぁ悪くないが,スタンダードの解釈とてごく一般的なものでなく,かなりコンテンポラリーな感覚が表出しているから,これもおそらくは好みがわかれるところである。私自身はこのアルバムは悪いとは思わないが,だからと言って愛聴するかというとそれほどのものではない。Chick Coreaのアルバムであれば,もっと愛聴されて然るべきものはほかにあるという感じである。どちらかと言えば,このメンツならば,私はElektric Bandの方を聞くかなぁ(と言っても,そちらもしょっちゅう聞くわけではないが...)。
Dave Wecklは確かに4ビートを叩いてもうまいのはわかるが,やっぱりソリッドに過ぎて,やはりこの人はElektric Bandの方が似合っているという気がする。結局,この人たち,サウンドがソリッド過ぎるから,必要以上に曲のテンポを上げて演奏せざるをえないのではないかと思えてきてしまった。よって,彼らにはバラード表現というのはかなり難しいのではないかと感じられるのである。
以前だったらこのバンドをもう少し高く評価していたかもしれないが,今になってしまえば星★★★ぐらいかなぁと思っている。演奏のレベルは高いが,久々に聞きとおすとどっと疲れてしまった。それだけ私が年をとったという証拠だろうか。
Personnel: Chick Corea(p), John Patitucci(b), Dave Weckl(ds)
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コメント
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このアルバムリリース当初は非常な感激と驚きをもって、小生も良く聴きました。しかしながら加齢とともにこのテンションについていけなくなり、今となっては殆どきかなくなりましたなあ。上手、一流といわれるプレーヤーの音楽が必ずしもヘビーローテーションにはならないということでしょうか。
そういえば先日のビルエバンスもこのアルバムも日本がバブルの直前あたりのリリースだと思います。社会全体も音楽も元気があったのかな。
かくなるうえは彼らに一晩だけでもリユニオンしてもらしてもらう。でも相変わらずリスナーの方がついてこられなかったりして。
あっ、彼らのライブを昭和女子大の人見記念講堂でみたなあ、同校卒業生と(やぎ君と別の意味で自慢)
投稿: こうぞう | 2009年1月21日 (水) 19時46分
こうぞうさん,こんばんは。返事が遅くなりました。確かにバブルなのかもしれません。日本の経済が浮かれていた時期と確かに一致してますもんねぇ。
「あっ、彼らのライブを昭和女子大の人見記念講堂でみたなあ、同校卒業生と(やぎ君と別の意味で自慢)」
う~む。人見記念講堂って私はオケの楽器搬入のバイトでしか行ったことがないなぁ。ということで色気なしの私にとっては仕事場なんです。
でもたまには自慢してみたいなぁ。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年1月22日 (木) 23時34分