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2008年12月 7日 (日)

Tubular Bells:温故知新とはいかなかった

Tubular_bells "Tubular Bells" Mike Oldfield(Virgin)

ある一定以上の年齢であれば,冒頭のフレーズはおそらく聞いたことがあるはずである。今も昔も"The Exorcist"でこのアルバムが使われたことが話題にならないことはないが,当時,これだけの音楽をアナログ機器だけの多重録音で仕上げたということには驚きを禁じえない。いずれにしても良くも悪くもエポック・メイキングなアルバムではあった。

私も同時代人として"The Exorcist"でこのアルバムの音に触れたクチであるが,全編を通して聞くほどの興味は以前は持っていなかった。まぁそれを中古でゴールド仕様の25周年記念盤をお手頃価格でゲットして,ようやくこのアルバムをフルに聞く機会ができたのもほんの数年前である。私はほぼリアルタイムでで続編"Tubular Bells II"は買ったはずだが,そちらもピンと来ていたわけではないので,あまりこのアルバム,あるいはMike Oldfieldに関心があるとは今でも言えないということは明らかにしておかなければならないだろう。

このアルバムが1973年に最初に発売されてから今年で35年ということになるが,久々にこのアルバムを聞いてみて思うのは,まぁよく頑張って作ってあるけど,本当にこれがそれほどの歴史的名作かねぇという感覚である。結局これはさまざまな音楽的要素を絡めた一人ミニマル・ミュージックのようなものであって,本来であれば決して万人受けするものではないと思うし,ミニマルならではの心地よさがあるのかというと,そうでもないのである。Part 1には楽器紹介のしょうもないMCも入っていて興醒めの部分もあるので,私はむしろ"The Exorcist"で有名なPart 1よりも,トラッドな雰囲気を感じさせるPart 2(特に前半)の方が気持ちよく聞けるように思うのだが,一般の人はどうなんだろうか。まぁそのPart 2にも途中でわけのわからんヴォーカルが入ってきて苦笑させられるが,そのあたりから急にロック的な展開を見せて雰囲気が一変するのもいかにもだよなぁ。

冒頭にも書いたが,確かにプロダクション手法としてはエポック・メイキングではあっても,音楽的には私は過大評価された作品ではないかと思えるのだ。結局Mike Oldfieldその人もこの作品の呪縛から脱することができないように思えるし,それは作品の評価が独り歩きし過ぎだからだとも言えるのではないだろうか。

このアルバムなかりせば,Virginグループの総帥,Richard Bransonがあれほどの大金持ちになることはなかったかもしれないが,それはさておき,私にとっては70年代前半という時代が生み出した産物の一つに過ぎないという感覚しかない。まぁ結局私はMike Oldfieldと縁がないのだろうということになってしまうのかもしれないが,歴史的意義は認めつつも,音楽としては星★★★が精一杯である。

Personnel:Mike Oldfield(Various Insturment), Sally Oldfield(vo) and Others

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コメント

Tubular Bellsと聞けばやっぱり何か書きたくなります。私も映画公開当時EP盤を購入、ちょっと神秘的で怖い感じに惹かれて。しばらくして知人からの勧めでMike Oldfield全編を聴き、初めて、あら中々美しい。でもこの解説は何?と。展開が読めない。でもキレイなメロディーの存在は認めます。何所かであったオリンピックの閉会式で50人くらいの人がこのTubular Bellsを(確か)首から下げてガツン、ガツンと叩くというのがあったけれど、実際この楽器を見ることは無いと思っていたので妙な胸の高鳴りを感じました。だからなんだ?って感じのコメントで申し訳ありません。思いつくまま書いてしまいました。

Mercedesさん,お久しぶりです。コメントありがとうございます。

私はTubular Bellsそのものを見たことはありませんが,「50人くらいが集まってガツン,ガツン叩く」という姿はよく言えば壮観,悪く言えば怖いって気がしますねぇ。

私はこのアルバムに関して,結構ネガティブな表現を使ってしまいましたが,それでも存在意義は認めないといけないということは認識しています。あとは好き嫌いですよねぇ。

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