これは激しい:Mahavishnuのライブ盤
"Between Nothingness & Eternity" Mahavishnu Orchestra(Columbia)
第1期Mahavishnuによるライブ盤であるが,はっきり言って音はひどい。まるで質の悪いブートレッグのようである。しかし,そこから聞こえてくるMahavishnuらしいというか,テクニシャン軍団による激しいバトルを聞けば,音なんかは問題でなくなってくる。それぐらいこれはかなり興奮させられるアルバムである。
この演奏を聞けば,これはジャズにカテゴライズすること自体がほとんど無理というか,完全なロックのアルバムと言ってよい。これだけテンションの高いロック・バンドはKing Crimsonぐらいしかないようにも思える(編成も近いものがあるし...)が,いやいやそれにしても強烈である。高速ユニゾンや高速ソロ・フレーズ等このバンドらしい特徴も収録されていて,音の悪さに目をつぶれば,これは相当楽しめるはずである。
確かにここまでやられてしまうと,さすがに疲れるというのも事実であるが,この第1期がライブでどういう演奏をしていたかを想像させるに十分なアルバムであり,本当に全員が剛腕なのねぇと思わず笑ってしまうような演奏である。
ところで,一時期,あまりマーケットで見掛けなかったこのアルバムも,最近では相当の安値で買えるようになったようである。某サイトでは新品が800円ぐらいである。円高も影響しているかもしれないが,その値段ならたとえはずしてもあまり気になりませんな。いずれにしても,非常にMahavishnuらしい演奏であり,McLaughlinあるいはこのバンドのファンは必聴。但し繰り返すが,音は悪いのでそれは差し引いて聞いて下さい。星★★★★。
Personnel:Mahavishnu John McLaughlin(g), Jan Hammer(p, key), Jerry Goodman(vln), Rick Laird(b), Billy Cobham(ds)
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