名曲"Kiss from a Rose"にやられるJulia Hulsmann
"The End of a Summer" Julia Hulsmann (ECM)
何ともECMテイストに溢れた新作ピアノ・トリオの登場である。Julia Hulsmannというピアニストは初めて聞いたが,ドイツの女流ピアニストとのこと。このサウンドが彼女の音楽性の本質なのかどうかはわからないが,ECMというレーベル・カラーにフィットしたサウンドには嬉しくなるECMファンが多いのではないだろうか。
全10曲中,6曲がリーダー,1曲がベースのMuellbauer,2曲がドラムスのKobberingのオリジナルで,それらもそれなりに聞き応えはあるのだが,私が参ってしまったのがSealの名曲"Kiss from a Rose"である。この曲が映画"Batman Forever"で使用され,グラミーを受賞したのは1995年のことになるが,しばらくぶりにこの曲を聞いて,曲の力を再認識した次第である。Sealのボーカルは若干くせがあってやや好き嫌いはわかれるが,インストで演奏されるとこれはたまらん。正直言ってほかの曲がかすんで聞こえてしまった。これはやはりこの曲の持つメロディ・ラインの魅力に依存するところ大である。しばらく前のヒット曲であるこの曲をなぜHulsmannが今になって取り上げたのは謎だが,このアルバムの魅力を高めるのにこの選曲は少なくとも私にとっては貢献したと言ってよい。
"Kiss from a Rose"ばかりほめているようだが,実はこのアルバム,冒頭にも書いたとおり,ECMテイストはかなり強い(即ち,本質的にはクールで静謐であり,ダイナミズムを求めてはいけない)から,この筋の音楽好きは"Kiss from a Rose"がなくても気に入るはずである。私としては最近のECMレーベルのアルバムではかなり好きな部類のアルバムである。星★★★★。でもやはり"Kiss from a Rose"にやられた私である。
Recorded in March 2008
Julia Hulsmann(p), Marc Muellbauer(b), Heinrich Kobberling(ds)
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ECM系の中でも、けっこう分かりやすくて情感にせまるピアノ・トリオでした。これは売れているんじゃないかなあ、と思います。以前どこかで賞をとって、その筋では有名な人らしいですが、私はこのECM盤が初体験でした。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2008年11月16日 (日) 08時36分
910さん,こんばんは。ちょいと出張中のため,返信が遅くなりました。確かにこのアルバムが聞きやすい方に入るのは事実ですが。最近ますます神出鬼没って感じもしますね。
ではまた。
長
投稿: 中年音楽狂 | 2008年11月17日 (月) 12時15分