ノリが全てと言わんばかりのCannonball Adderley
"Mercy, Mercy, Mercy" The Cannonball Adderley Quintet (Capitol)
まぁ何とも楽しいアルバムである。1曲目が"Fun"で2曲目が"Games"というのはジョークのようでもあるが,冒頭から強烈なノリでぶちかますCannonballのライブ盤である。
昔のジャズ喫茶には小難しい顔でフリー・ジャズを聞いている連中もいたが,そういう人種はこういう音楽が掛かると顔をしかめていたものである。やれ哲学がない,やれ思想がない。まぁ言いたいこともわからんではないが,楽しいだけのジャズがあってもいいじゃんと私は思う。それがCannonballの哲学であり,思想なのである。
そもそもジャズという音楽の間口が広いのだから,いろんなタイプのジャズがあって当たり前であるし,自分の嗜好に合わないからと言って見下すかのような態度を示すのは大人げない。別にそうした音楽が聞きたいなら自宅で聞いていればいいのだ。ジャズ喫茶はあくまでも「公共の場」なのだから,どんな音楽が掛かろうと文句が言えた筋合いではない。まぁジャズ喫茶そのものが死滅寸前のものとなって久しいが,そういう人種もだんだん減ってきてはいるかもしれないが...。
閑話休題。"Fun"に"Games"ときて,次がタイトルトラック「お慈悲を,お慈悲を,お慈悲を」というのがまたまた笑える展開である。こういう音楽は堅苦しく考えず,踊ったもん勝ちって気もするがどうだろうか?この曲を書いた人間が"Directions"を作曲したのと同じ人間とは到底信じ難いが,もしかして,Joe Zawinulって二重人格傾向を示すAB型か?冗談はさておき,このスローなファンク・チューンを聞いて乗れなければ,どんな音楽で乗るというのだろう?「人形は顔が命」とは人形の吉徳のキャッチコピーだが,この五重奏団にとってはノリがいのちなのである。
まぁここまでやると行き過ぎじゃないかという気がしないでもないが,これでいいのだ(バカボンのパパのようである)。聴衆のノリもいかにも黒人的。オーディエンスが白人中心だったら,"Sticks"に聞かれるが如きゴスペルチックな手拍子は叩けまい。聴衆もこのアルバムを熱い(あるいはむさ苦しい)ものにした一つの要因である。こんなもんをしょっちゅう聞いていたら頭がおかしくなりそうだが,たまのストレス解消には効くという点では私にとってはハードロックと同じ効果を持つ不思議なジャズ・アルバムである。星★★★☆。ちなみにこのアルバムは亡父の遺品である。父もストレスがたまっていたのだろうか?
Recorded Live in July, 1966 at "The Club"
Personnel: Julian Cannonball Adderley(as), Nat Adderley(cor), Joe Zawinul(p, key), Victor Gaskin(b), Roy McCurdy(ds)

































































































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