Han Benninkが4ビートを叩く!
"Home Safely" Han Bennink / Curtis Clark / Ernst Glerum (Favorite)
最近の輸入盤ショップで結構な売上げを記録しているアルバムである。このアルバム,ショップではHan Benninkの...というかたちで紹介されていることが多いようだが,収録されている曲はピアニスト,Curtis Clarkのオリジナルばかりであるから,まぁトリオによる共同リーダー作と考えてもいいのではないかと思う。表のジャケに写っているのはClarkだろうから,実のところはClarkがリーダーだったと考えてもいいだろう。
それでもってHan Benninkである。Han Benninkと言えばやはりフリーのイメージが強いのは事実であるから,彼がこうした演奏でブラシまで使ってサトルな4ビートを聞かせるということにはやはり驚きがある。しかし,よくよく考えてみれば,Han BenninkはDolphyの”Last Date”においても,きっちりしたドラミングを聞かせていたし,何もフリーだけの人ではないというのは明らかである。フリー・ジャズのプレイヤーというのはきっちり弾けた上でフリーに演奏するというのが基本なのは山下洋輔だって,更には完全ハードコアと思われているJohn Zornだってそうなのだから,Benninkがこうした演奏を聞かせたとしても不思議ではない。
そうした前提のもとでも,このアルバムでのHan Benninkにはイメージを覆されること甚だしいのは事実である。どういう経緯でこうした録音が行われたかは大変興味深いところではあるが,このアルバム,1994年に録音されながら,マスタリングは2003年に行われており,その間,どういうことになっていたのかというのも関心が向いてしまう。
ただ,全編を聞いてみると,非常に落ち着きのある演奏だとは思うが,カクテル・ピアノ一歩手前って気もして,実はいいのか悪いのかよく分からないのである。確かに店頭でこのアルバムが掛かれば,気になってジャケットをチェックしに行くタイプの音源ではある。しかし,それを冷静に自宅で聞き直してみるとどうもピンとこない。確かにこの演奏悪くないのにである。多分にこの演奏にはジャズの魅力の一つである「熱さ」が不足しているためではないかと思うのだ。私はこのアルバムを聞き込んでいるわけではないが,やはりちょっとアルバムとしては作りが甘いような気がする。今後評価を見なおす時が来るかもしれないが,今のところは星★★★。私としてはどうせBenninkが叩いているのだったら,意図的な破綻があってもよかったのではないかと思っている。
尚,余談だが,上掲の本アルバムのジャケットのClarkの写真の背後にひげ男がボーっと写っているのだが,あれは一体誰なんだ?ここにアップした画像ではそこまではわからないだろうが,ご興味のある方はご自分で手に取って確認してみて下さい。まぁ,それがどうしたという話だが...。
Recorded in January 1994
Personnel: Han Bennink(ds), Curtis Clark(p), Ernst Glerum(b)
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